井上尚弥のSNS異例投稿に1万件の「いいね」
井上は、グアム・キャンプから帰国後の2月6日に「限界を超えてしまった」というオーバーワークが原因で39度近くの高熱でダウン。その際、「新型コロナウイルスかと心配したし、怖かった」というが、1日で熱が下がって疑いが晴れて安堵している。 今週からは、フィリピンから招いた2人のスパーリングパートナーとのスパーリングも本格化。カシメロとのビッグファイトを2か月後に控えた、この大切な時期に細心の注意を払い危機管理するのは当然だろう。 ラグビーのトップリーグでも、早々と選手がファンと試合後にハイタッチするイベントの中止を決定するなど、新型コロナウイルスに対する措置を講じており、サインや握手など、不特定多数の人々と直接的な接触機会が多い他のプロスポーツでも、今後、このような措置を取る必要が出てくる。 さらに陣営は米国ラスベガスでのカシメロ戦自体が延期となる不測の事態も危惧している。米国は、過去2週間以内に中国への渡航歴のある外国人の入国を一時的に禁止しているが、今後、日本で新型コロナウイルスの感染が拡大して、もし、その措置の適用範囲が日本にまで広がれば、日本から現地に応援にかけつける多くのファンだけでなく、井上陣営のスタッフまでが、米国ラスベガスに乗り込むことができなくなる。 トランプ大統領は「4月には収まるだろう」との見通しを示しているが、今後の新型コロナウイルスの感染の動向次第では「試合延期」という最悪のケースを考えざるを得ない状況となっているのだ。 この試合は、大手プロモート会社、トップランク社と契約し米国へ本格進出する大切な試合である。陣営からすれば、まさかこのような事態に巻き込まれるとは思ってもみなかっただろう。 3月1日に行われる東京マラソンも、新型コロナウイルスの影響を危惧して約3万8000人がエントリーしていた一般参加者の出場中止を決定した。今のところプロバスケットボールのBリーグや、バレーボールのVリーグなど、体育館、アリーナなどの密室で行われるプロスポーツの興行が中止に追い込まれる事態にはなっていないが、今後、さらに感染が拡大していけば、深刻な影響が出てくると考えられる。検査体制の整備や治療薬の開発など、国の早急な対策を求める声はスポーツ界からも切実に上がり始めている。