脱サラして刺しゅうの道へ!東大卒の若手デザイナーが手掛けるブランド「北区の刺しゅう屋」の魅力と成長の秘密
ーブランドを作り上げていく上で、大切にしていることを教えてください。 “関わる人がどれだけワクワクできるか”を大事にしています。起業したのも、「ワクワクできることをしたい」という思いがあったからです。 刺しゅうブランドを展開するにあたり、“日本発の世界的なブランドになる”という目標を掲げていますが、これも自分とブランドに関わる人たちがワクワクできると思ったからです。その目標から逆算して、今一番ワクワクできることに挑戦するようにしています。
デザインにはフォロワーのアイディアを積極的に反映
ーブランド名「北区の刺しゅう屋」に込めた思いを教えてください。 刺しゅうの本質は温かさだと思っているので、温かい雰囲気が伝わるブランド名にしようと考えました。「北区」には、“どこにでもある身近な北区”という想いを込めています。 また今後、競合が出てきても、北区の刺しゅう屋が一丁目一番地であることが分かるように、“刺しゅう”も名前に取り入れました。一般的に英語やカタカナ表記のブランド名が多いですし、語感がよかったので、あえて日本語にしています。
ーアイテムに施された刺しゅうも、温かみを感じます。 日本の四季をテーマにデザインしています。ゆくゆくは海外で売れるものを作りたいので、四季を選んだという理由もあります。 当ブランドの刺しゅうはステッチ数が多いことが特徴で、針を落とす数を多くすることで単一のモチーフだけでなくストーリーを描くことができるんです。たとえば「猫のおさんぽ」では、猫の周りにイチョウや紅葉、月などを加えて、猫の感情を想像できるようなストーリーを描いています。 また自分が作りたいデザインではなく、多くの人に気に入ってもらえるデザインを目指しています。デザインのベースは私自身で考えていますが、それに対するお客様の反応をできるだけ吸収して形にしています。
ーお客様のアイディアから実現したデザインにはどんなものがありますか? 秋のテーマを募集したときに「金木犀」とコメントしてくださった方が多かったので、「金木犀と青い鳥」という商品を作りました。 私は金木犀をあまり知らなかったのですが、秋に人気の花だということをそのときはじめて知りました。フォロワーさんの9割が女性ということもあり、男性目線にはないアイディアをいただけてありがたかったです。