【朝日杯FS】持続力のある末脚が最大の武器 京大競馬研の本命はトータルクラリティ
ハイペース必至の先行馬構成
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が9頭と出走馬全16頭に対してかなり多い。 その中に距離延長馬や、若駒らしく折り合いに課題がある馬も多くいる。初角までの距離が長いコース形態と相まって、序盤の先手争いは激化することが想定される。 この展開の場合、やはり恵まれるのは中団から後方で立ち回り、速い上がりを使える差し馬だ。ただ、荒れた内側を先行勢が避けていくと、馬群全体が大きく外に膨らみ、4角最後方から先頭まで一気に捉えきるというのは難しい。 したがってポジション取りも重要。コーナーに入るまでに好位から中団近くに位置取るか、3~4角でマクっていく競馬が差し馬にとっては理想と考える。差し馬については序盤、中盤のポジション取り、または機動力も評価して印を打つ。
持続力のある末脚が持ち味
◎トータルクラリティ 前走の新潟2歳Sは牝馬路線上位のコートアリシアンに完勝。一度差されてから再度差し返しているように、しぶとく長く良い脚が使える。 一瞬のキレ味よりも持続した末脚が生きる京都外回りは合っている。また、左回りの前走でモタれる面を見せており、右回りはプラス材料だ。 2走前の新馬戦はスローペースからの瞬発力戦をラスト3F11.8-11.4-10.9の強烈な加速ラップで完勝。出走馬の次走以降の内容を見てもハイレベルな新馬戦だった。 外目から長く良い脚を使いたい本馬にとって5枠10番は絶好枠。スタートセンスも良く、比較的ポジションも取れるため、不安要素が少ない。順当に能力を発揮できれば勝ち負け必至とみる。想定人気からオッズ妙味が見込まれるため、本命を打つ。 ◯アルテヴェローチェ 前走のサウジアラビアRCは差し有利な展開が向いての勝利で、素直に評価できる内容ではなかった。ただ、勝ち時計、上がりはともに優秀で、持続する末脚が生きる京都外回りは本馬に合う。 2走前の新馬戦は終始大外を回される厳しい競馬の中、ラスト3F12.1-11.6-11.5の加速ラップを差し切って完勝。高いレースセンスを見せた。ハイレベルな戦いを続けており、まだ能力の底は見せていない。今回のメンバーでもオッズ以上に能力が抜けている可能性はある。 また自分の内外にテンの速い馬がいる並びも良い。出たなりに外目のポジションを確保しやすく、多頭数替わりも大きな不安要素ではない。トータルクラリティ同様、外目から持ち前の末脚を使うことができれば勝ち負け可能だ。 ▲ミュージアムマイル 黄菊賞は内前有利な展開が向かない中、6番手追走から3、4角で一気にマクり2着に0.5秒差をつける圧勝。勝ち時計、上がりも非常に優秀で、今回のメンバーでも上位に入る能力を示した。 新馬、未勝利戦も優秀な上がりを記録しているように、キャリア3戦を通して能力の底を全く見せていない。距離短縮もハイペースが想定される今回は好材料となる。 レースセンスが非常に高く、近2走の京都での走りを見ても、下り坂からのロングスパート適性は抜群。ただ、外目から長く良い脚を使いたい本馬にとって、内目の枠はややマイナスとみて3番手評価とする。 △タイセイカレント 前走のサウジアラビアRCは展開が向いたとはいえ優秀な上がりを記録。2戦続けて上がり最速を使っており、京都外回りにも高い適性が見込める。大外枠も大きな不安要素ではない。 ×アルレッキーノ 新馬戦、未勝利戦の内容から間違いなく世代屈指の能力がある。しかし、今回は先行馬の並びからして前が楽な展開にはならない可能性が高い。相手までとする。 買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△×馬連4点、◎-◯▲-◯▲△×3連複5点で勝負する。(花田) ▽朝日杯FS予想▽ ◎トータルクラリティ ◯アルテヴェローチェ ▲ミュージアムマイル △タイセイカレント ×アルレッキーノ ライタープロフィール 京都大学競馬研究会 今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
京都大学競馬研究会