「倉科カナ」落ち込んだときのストレス解消法は“お酒”と“涙” 「床を叩くぐらい泣きます」
■実は役者デビューは「コント」でした ――今まで演じてこられた中で、一番印象に残っている役はありますか? やっぱり、2009年に朝ドラ「ウェルかめ」をやったあとに「名前をなくした女神」(11年)という作品で悪女を演じたのがすごく新鮮でした。どうしても朝ドラの役柄を引っ張ったオファーが来たりもするんですけど、このとき「今まで見たことがないカナちゃんを見たいんだよ」ってオファーしていただけたことがすごくうれしかったですね。 「倉科カナにこれをやらせたら面白いだろう」と思ってもらえて役をいただけたということなので、役者冥利(みょうり)に尽きるなと。20代前半でそういう役に出会えて、反響も大きくて、自分にとっての転機にもなりました。その方が「情事と事情」と同じプロデューサーさんなんですよ。ご縁ですね。 ――いま、「こんな役をやってみたい」というものはありますか? コメディーをやってみたいですね。実は私の役者デビューはコントなんですよ。ラーメンズの片桐仁さんと「根津サンセットカフェ」という1話90秒のコント風ミニドラマを100本近くやらせてもらいました。そういう笑いが入るものとか、ぐうたらしている、だらしなくてカッコ悪い役をやってみたいなと思います。 ――倉科さんのパブリックイメージは「明るい」「元気」、最近だと「シュッとしてカッコいい」などがあると思いますが、そのイメージに縛られてしまう葛藤のようなものはありますか? すごくありますね。どうしても20代で求められていたものと、30代、40代で求められるものは違って、自分の中で摩擦が起きているところはあります。私はいつも笑顔のようなイメージがありますが、人間だから体調が悪いときも、気分が乗らないときもあるわけで……そんなときに「カナちゃんなんか違うね」と言われてしまうこともあります。 私個人の話なら、深くつきあってくれる人、わかってくれる人がいればいいやと思うんですが、お仕事の役柄については重大だなとは考えていて、「これが30代後半からの倉科カナの代表作だ」という当たり役のようなものが来れば、そこでイメージが変わったりするんだろうなと。それがいつ来てもいいように、いつも自分を磨いておかないといけないなとは思っています。