「面会に来たお母さんが泣いていた」『闇バイト』で逮捕された少年に少年院で単独インタビュー 危険運転致死傷事件や元城南町議殺害事件など2024年の熊本県の事件
2024年に熊本県内で起きた事件・事故について振り返る。また、凶悪事件の温床となっている『闇バイト』について、特殊詐欺事件で逮捕された少年の証言から実態に迫る。 【画像】球磨郡錦町にある少年院を単独取材
危険運転致死傷事件や元城南町議殺害事件
飲酒運転による悲惨な事故が2024年も繰り返された。スピードを出しバッグで走り去る車、この直後、事故は起きた。6月、熊本市で飲酒運転の車が歩道に突っ込み、熊本市の女性職員など2人が死傷した。 警察は、車を運転していたホストクラブ従業員の男を逮捕。その後、男は危険運転致死傷罪などで起訴された。 男は事故の直前にトラックに追突する別の事故を起こしていて、「飲酒運転がバレるのが嫌で、追突したトラックから逃げるのに必死でアクセルを踏んだ」と供述しているという。 3月、熊本市の繁華街に緊張が走った。下通アーケード近くの飲食店で店長の男が女性従業員3人の顔などを包丁で刺して、殺害しようとしたとして逮捕・起訴された。 女性が逃げ込んだ店の店長は「こっちに『助けてください』って大きな声で『刺された』って」と、事件直後の様子を話した。 6月には3年あまり未解決だった事件が大きく動いた。2021年5月、元城南町議の男性が手足をひもで縛られ、死亡しているのが見つかった事件は、目撃証言などが乏しく捜査が難航する中、熊本を拠点に全国で空き巣を繰り返していたグループの男の関与が浮上した。 警察は、防犯カメラの映像などを精査し男2人を逮捕した。2人は強盗致死罪などで起訴されていて、今後、裁判員裁判が開かれる。
『闇バイト』で逮捕された少年院の少年
強盗殺人など凶悪事件の温床となっている『闇バイト』。熊本県内でも、特殊詐欺の受け子などを『闇バイト』で募集したとして、10代の姉弟など男女5人が相次いで逮捕された。警察は指示役とみられる暴力団幹部も逮捕し事件の全容解明を進めている。 この『闇バイト』の実態とは、今回、特別な許可を得て球磨郡錦町にある少年院を取材。別の『闇バイト』で犯罪に手を染めてしまったという少年から話を聞いた。 少年は「『2週間で50万円くらい報酬がもらえる』と言われて、誘惑に負けて乗っちゃった」と『闇バイト』に手を出したきっかけを話した。 少年は、特殊詐欺で被害者からキャッシュカードを受け取り、現金を引き出すなどしたとして逮捕されたという。中学時代、不登校がきっかけで不良グループと関わるようになった少年は「2週間で50万円の報酬がもらえるチラシ配りの仕事がある」と知り合いから誘われた。 少年は「何回も『怪しくないよね?』と(確認した)。知り合いに自分の住所とキャッシュカードを送った。(知らない人から)自宅マンションの前で封筒に入った10万円を手渡されて、交通費とか宿泊費だった」と話す。
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