「面会に来たお母さんが泣いていた」『闇バイト』で逮捕された少年に少年院で単独インタビュー 危険運転致死傷事件や元城南町議殺害事件など2024年の熊本県の事件
少年は「本当に後悔している」と話す
秘匿性の高いアプリで指示役からメッセージを受け取った少年。『チラシ配りの仕事』が実は、特殊詐欺の『受け子』であることを知ったという。 少年は「知り合いに電話して『話が違う』みたいなことを言ったんですけど、その人も『とりあえずやってくれ』みたいな」と、紹介者に話をしても打ち合ってくれなかったといい、スマホで指示を受けながら被害者宅を訪れ、銀行員になりすまし、高齢者からキャッシュカードをだまし取ったという。 少年は「イヤホンで指示があったが、話した内容はあまり覚えていない。言われたことをそのまま口に出していた」と話し、「『お金を下ろせ』と言われてコンビニで40万円を下ろした。(お金は)コインロッカーに入れて写真を指示役に送った。(被害者は)結構高齢の人でちょっとかわいそうというか、やっちゃダメだなって思っていたが、上の人から急かされて…」と振り返った。 結局、少年は報酬をもらうことなく逮捕された。少年は「短時間でお金を稼げる仕事って本当に限られているというか、多分ないと思う。捕まって少年院とか刑務所に入るくらいなら、ちゃんとコツコツ仕事してお金を稼いで生活した方がやっぱり自分の為になると思う」と話した。 最後に少年は「留置場でお母さんが面会に来てくれた時に泣いていた。それを見てまた泣かせてしまったなっていう…。本当に後悔している」と話した。
熊本県警は高校生を対象に講話
彼のような犯罪者を生まないために警察も対策に乗り出している。熊本中央警察署・生活安全課少年係の松田志保巡査部長は「『闇バイト』はアルバイトではなく『犯罪』です。警察官の私がこうやって講話しているのは『犯罪だから』皆さんに危険性を伝えています」と話した。 熊本県警は11月から熊本県内の高校生を対象に講演会を開き、『闇バイト』の危険性を伝えている。 熊本県警察本部・生活安全企画課の辻直樹次席は「ちょっとの小遣い稼ぎのつもりとか、軽い気持ちで手を出してしまうことがあるかもしれませんけど、一生取り返しのつかないことになりかねません。警察では闇バイトに応募してしまった人をその家族を含めて確実に保護させていただきたいと思う。どういった状況でも不安がある場合は勇気を持って警察に相談していただければ」と呼びかける。 (テレビ熊本)
テレビ熊本
【関連記事】
- 「信号無視には当たらないと思った」熊本市電が交差点で赤信号止まりきれず33メートル走行 原因はイチョウの落ち葉か 2024年で運行トラブル15件目
- 熊本・宇城市の国道で帰省中の親子が車にはねられる 母親は意識不明の重体に息子は骨折の重傷 過失運転致傷の現行犯で運転していた男を逮捕
- 「撤退を決めた」「広さが料金と見合わない」TSMCが進出した熊本・菊陽町周辺で撤退・移転を決めた経営者たち 経済効果実感するより先に上がり続ける土地の価格
- 「今までが安すぎた」「品薄ではないが足りない」『令和の米騒動』で注目されるコメの価格はなぜ下がらない 農家や卸売店を取材して見えた主食用米の生産減
- TSMCが第1工場を「12月に量産開始した」と発表 木村敬熊本県知事が生出演し第3工場誘致に「未来の世界の産業づくりにエントリーしたい」