PGAツアーの“少数精鋭化”に大乗り気!? トップ選手たちが感化された“MLB上層部のワークシート”には何が書いてあった?
タイガー・ウッズにシグネチャーイベントの生涯シード
リブゴルフが創設されて以降、混迷が続いているPGAツアーが往年の輝きを取り戻そうと試行錯誤しているという話は、先週もお伝えしたばかりだが、最近では、ほぼ毎週のように何かしらが発表されている。 【写真】バレたら永久追放!? これがマスターズで“持ち込み厳禁”の品目です
6月下旬の理事会で決定事項として発表されたことは2つあり、1つはタイガー・ウッズに来季からのシグネチャーイベント全試合に出場できる生涯シードを授けるというものだった。 とはいえ、この決定事項の正確な表現は「通算80勝以上の選手にシグネチャーイベントへのライフタイムの出場資格を付与する」というもので、現状では通算82勝のウッズだけがこの条件を満たしているということになる。 もう1つの決定事項は、来季からのシグネチャーイベントでは1試合の出場者数を最低でも72名以上にキープするために、シグネチャーイベント各大会ごとに補欠リストを作成し、欠場者が出た場合は補欠選手を繰り上がりで出場させるという内容だった。 だが、米ゴルフウイーク誌によると、この2点以外にも熱い意見が交わされた事項が多々あったとのことで、それらは2026年からの実施に向けてこれから検討されていくべき「具体案」として保留されている。 そして、その「具体案」は、いずれもPGAツアーの試合を少数精鋭化する方向性だという。 たとえば、レギュラー大会の出場者数を現在の156名から120名へ絞り、各大会をより一層エリート揃いにすべきだという案がある。 また、現在はフェデックスカップランキングの上位125名に翌シーズンの出場資格が授けられているが、来季からは上位100名までに減らすべきだという提案もある。 ローリー・マキロイは「もっと減らすべきだ」と声を大にしている一方で、一気に減らす代わりに、まず125名から120名へ、次は120名から115名へと「段階的に減らすべきだ」という案もある。 下部ツアーのコーン・フェリーツアー、あるいはQスクール(予選会)出身者にPGAツアー出場権を付与する人数も「減らすべきだ」という声まで上がっている。 さらには、毎週毎週の連戦では心身ともに疲弊してしまって良いパフォーマンスが披露されないという理由から、「年間試合数を20~22試合に減らすべきでは?」という案も出ている。 こうした声は、PGAツアーの大会を「もっと少数精鋭化して、スター揃いにするほうがファンの興味を引く」という考えの表れだと思われるのだが、そう考えているのは一部の上位選手たちで、下位選手たちに言わせれば「トッププレーヤーは大勢の選手を締め出そうとしている」「上位選手は自分たちの利益しか考えていない」。 だが、そうした批判に対して、上位選手たちは、こんな反論も用意している。 「締め出そうとしているわけではない。実力と即戦力を示せば、すぐにでもPGAツアー入りができる新たなシステムも考えている。たとえば、コーン・フェリーツアーのいくつかの大会を“コーン・フェリーのメジャー大会”に認定し、それらの優勝者は、シーズンの途中であっても、即刻、PGAツアー選手に格上げするという新たなシステムは、いかが?」