【40代・50代、知れば知るほどおもしろい!ホルモンの世界④】疲れを解消するにはストレスホルモン「コルチゾール」を上手にコントロールすることが不可欠
40代、50代はストレスが多い世代でもあるが、そんなストレスとうまく付き合うには「コルチゾール」というホルモンをコントロールすることがカギ。そこで、“このホルモンの働き”と“うまくコントロールする方法”を、内科医の工藤孝文さんに伺った。
ストレスに対抗し、体を守る「コルチゾール」は適度に分泌されることが大事
ストレスフルな現代人にとって、知っておきたいホルモンが「コルチゾール」だ。これは、どういう働きをするホルモンなのだろうか。 「コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、ストレスを感じたときに増えることから、“ストレスホルモン”とも呼ばれています。 ストレスは、適度にある分には、生活にハリを持たせてくれるので悪いものではありません。でも長期に及ぶ過度なストレスは、自律神経の働きを乱したり、体内で炎症反応が増えるなど、心身にさまざまな悪影響を及ぼします。 そこで、ストレスがかかったときに分泌されるのがコルチゾールです。コルチゾールはストレスに対抗する働きや、炎症から体を守り、修復する働きがあります。免疫力を高める成長ホルモンの作用を強めたり、血中でブドウ糖が不足したときに脂肪を燃やして肝臓でブドウ糖を作り出す“糖新生”を促す働きもあります。 このようにコルチゾールは、ストレスの火消し役である大事なホルモン。日中にかかるストレスに対抗するため、起床後に大量に分泌されます。朝シャキっと起きられるように、自律神経を調整する働きもあります。 ただ、あまりにもストレスが強くなると、コルチゾールが過剰に分泌され続けてしまいます。コルチゾールには免疫機能を抑える働きがあるので、過剰に分泌されると免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなってしまいます。また、コルチゾールは、幸せホルモン “セロトニン”の分泌を妨げるので、過剰に分泌されると、メンタルの状態が不安定になりやすくもなります。 さらに、この状態が長く続くとコルチゾールを分泌する副腎が疲れてくるため、逆にコルチゾールの分泌量が減ったり、働きが悪くなります。すると副腎疲労を起こし、疲労感が強くなり、朝起きられなくなったり、気力や体力が出なくなったり、うつっぽくなったりします。ですから、コルチゾールは、多すぎても少なすぎてもダメで、適度に分泌されることが大切なのです」(工藤先生)
【関連記事】
- 【40代・50代、知れば知るほどおもしろい!ホルモンの世界③】幸せホルモン「セロトニン」&愛情ホルモン「オキシトシン」を増やして、更年期のメンタル不調を軽くしよう
- 【40代・50代、知れば知るほどおもしろい!ホルモンの世界②】痩せホルモン「アディポネクチン」「インクレチン」を増やして、効率よくダイエット
- 【40代・50代、知れば知るほどおもしろい!ホルモンの世界①】食欲を司るふたつのホルモン「レプチン」「グレリン」をうまくコントロールして太りにくい体に!
- 【40代、50代】ストレスホルモン「コルチゾール」の減らし方教えます! /Dr.根来秀行
- 【40代、50代】寝ても寝足りない人必見! 眠りの質を上げるピラティスの基本動作