【卓球選手のセカンドキャリア】元全日本混合チャンピオン、川嶋崇弘「教える喜びが原動力」
川嶋卓球場の挑戦。「大変なことも多いから、喜びや目標がないと仕事は続けられない」(川嶋崇弘)
全日本選手権混合ダブルスで優勝した川嶋崇弘は、29歳で会社員を辞めプロ卓球選手となり、6年間のプロ選手生活を経て指導者の道へ進んだ。現在、大阪で自身の卓球場を経営し、プロコーチとして「川嶋ジュニア」の約70名の生徒を指導している。 選手と指導者の違いについて、川嶋は「選手は自分の責任だけど、指導者は選手と一緒に考え進む必要がある」と語る。ジュニア選手たちが勝利を掴む瞬間には、「選手時代には味わえなかった感情が湧く」とし、陰でうれし泣きすることもあるという。 一方で、プロコーチとしての責任は大きい。成果を求められる中で、指導には厳しさも必要だと感じている。「もっと一生懸命やらなあかん」との思いで子どもたちに向き合う。 川嶋ジュニアは全国ホープス準優勝や全日本クラブ選手権3位の成績を残しているが、指導者としての「日本一」にはまだ届いていない。それが現在の最大の目標だ。「大変なことも多いが、喜びと目標がないと続けられない」と川嶋は語る。 卓球選手のセカンドキャリアは簡単ではない。しかし、川嶋崇弘は「教えることの喜び」と「日本一」を胸に、未来の選手たちとともに新たな道を切り開いている。 (卓球王国PLUS「セカンドキャリア」より抜粋) [かわしま・たかひろ] 1971年10月23日生まれ、徳島県出身。全国中学校大会で優勝、東山高時代に全日本ジュニア3位。専修大に進み、91年全日本選手権男子ダブルス準優勝、92年混合ダブルス準優勝、92年全日本学生の男子ダブルス優勝。卒業後、びわこ銀行、ラララを経て、プロ選手となり、98年に全日本混合ダブルス優勝。35歳からプロコーチの道を歩む