英中銀利下げはあと5回まで、それ以上はリスク伴う可能性-BE分析
(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)は政策金利を3.5%に引き下げるまで、あと5回の利下げは可能だが、それ以上は景気を過熱させ、再びインフレを招く恐れがある。ブルームバーグ・エコノミクス(BE)が分析した。
BEの英国担当チーフエコノミスト、ダン・ハンソン氏はいわゆる中立金利を従来の想定値を上回る3-4%とみている。同氏はその中間点、つまり現在の政策金利より1.25ポイント低い水準で金利が落ち着くと想定している。
2022、23年のインフレショックからソフトランディング(軟着陸)を目指す政策立案者にとって、成長を抑制もしくは刺激しない金融政策を見極めることはますます重要になっている。英国のインフレ率は一時11%を突破。英中銀は高インフレに対処すべく数十年ぶりの積極的な利上げを講じたが、現在はそれを巻き戻している。
英中銀のベイリー総裁は先週、来年に4回の0.25ポイント利下げを示唆した。しかし、中立金利については2009-21年まで続いたゼロ付近よりは高いとするだけで、それ以上の言及は避けた。
ハンソン氏は「インフレを招くことなく、さらに一段と利下げを行う余地は限られているようだ」と指摘。英中銀は26年にもう1回利下げするが、従来想定していた3%まで引き下げることはないと見込んでいる。
同氏は英中銀が来年も利下げを継続するのに伴い、「金融政策の緩和サイクルの終着点に関する議論が活発化する可能性は高い」との見方を示した。
原題:BOE Has Little Scope to Cut Rates Beyond 2025, Analysis Shows
(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Philip Aldrick