アタシもハマったわ! アルゼンチンタンゴバーは大阪を救い、世界を救う!!
ユネスコの無形文化遺産に登録されているアルゼンチンタンゴ。男女がアブラッソ(抱擁)しながら踊るタンゴの愛好家は世界中にいて、週末の夜ともなれば、世界の主な都市でミロンガと呼ばれるダンスパーティが開かれている。今回は、大阪のアルゼンチンタンゴバー、カフェティン・デ・ブエノスアイレスのお話。 水原一平容疑者を待ち受ける「アメリカのムショ暮らし」がヤバすぎる…!イジメが横行
骨董通りの小さなタンゴバー
カフェティン・デ・ブエノスアイレス(以下、カフェティン)は大阪市北区西天満(にしてんま)、梅新東(うめしんひがし)の交差点近くにあるアルゼンチンタンゴバー。ギャラリーやアンティークショップが並ぶ老松(おいまつ)通りの雑居ビル、小さな看板が出ている階段を降りた通路の奥、木製のドアの向こうから聞こえてくるのはアルゼンチンタンゴのメロディだ。 店に入るとバーカウンターが右に、タンゴを踊るフロアが左にある。深い濃赤色の壁はアルゼンチンタンゴの本場・ブエノスアイレスさながらに、アンティークの鏡やタンゴの神様と呼ばれる歌手・ガルデルのポートレートなどが飾られている。フロアの角には生演奏の時に使われるアップライトピアノが置かれ、カウンターのライトスタンドは艶めかしい光を放っている。照明を落とした店内は無国籍な雰囲気で、ここが大阪の西天満であることを忘れてしまいそう。 私が初めてカフェティンに来たのは、今からおよそ13年前。小学生の頃、男子とドッジボールをして負け知らずだった私が、何の因果で、体育の授業で一番苦手だったダンスなんてもんを、それもダンスの中でも、「セクシー」「官能」「パッション」といった言葉で表現されるアルゼンチンタンゴを始めることになったのか。 そもそものきっかけは、友達に誘われてミロンガと呼ばれるアルゼンチンタンゴのダンスパーティに行ったこと。タンゴは、二人で踊るペアダンス。男性のリードを感じて、女性がフォローする。この「リードを感じる」というのが、何なんそれでさっぱり分からず、初めてのタンゴは呆然としているうちに終わった。 そんな散々な出会い方をしたタンゴを、なんでまた続けようと考えたのか。それは、一生のうちに一度ぐらいは苦手なものにチャレンジすべき、と思ったから。魔が差したとしか思えない。なんか知らんけど。 そこからはもう、部活状態。一緒に始めた同期生のような友達がいたことも幸いし、カフェティンのタンゴレッスンに通い始めた。