ペルセウス座流星群が好条件、火・木星の“超接近”も…夏の星空
光跡の美しい色、正体は
流星群は、基本的に一般的な機材で撮影できる。明るい広角レンズを取り付けた一眼カメラなどを三脚に固定。無限遠、高感度、絞り開放にセットし、露光時間は10~数十秒ほど。カメラ振れを防止する「レリーズ」などを使うと良い。レンズの結露に注意。撮影範囲にいつ流星が出るか分からないので、露出やピント、ノイズをモニターで確認し、設定を調整しつつ“数打ちゃ当たる”式に次々シャッターを切っていくのが良い。撮れたと思ったら、すかさず露光を止めて確認する。 流星を撮影すると、光跡の美しい色を捉えることがある。塵が高速で大気に飛び込み、前面に断熱圧縮による加熱が起こり、その影響で塵の物質がガス化して周囲の大気と衝突し励起状態となり光を放つ。こうして炎色反応が起こり、塵が含む元素を反映した固有の色が現れるとされる。
流星群と火木、同時観察も
流星群とあわせ、地上からの見かけ上、互いに日々接近していく火星と木星にも注目したい。最接近は15日午前零時頃で、この時の両者の距離は、満月の見かけの直径のわずか6割ほど。その後、東の空高く昇っていく2時頃から夜明け前が観察しやすいという。明るさは火星が0.9等、木星がマイナス2.2等で、肉眼で見える。流星群最多予想の13日未明も含め前後数日、それなりに接近している。そこで流星と火、木星が仲良く収まった写真を狙うのもアリだろう。 日付がさかのぼるが、10日は旧暦7月7日にあたり、伝統的七夕(旧七夕)と呼ばれる。伝統的七夕の日は年により変わる。現在の7月7日は例年多くの地域でまだ梅雨が明けていないが、伝統的七夕の夏空なら織姫と彦星を見つけられるかもしれない。ともに1等星で、織姫はこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイル。両者をはくちょう座のデネブと結ぶのが、学校でも習う夏の大三角だ。スマホを空に向けると星座や星の位置が分かるアプリが充実し、初心者でも星を探しやすくなっている。
草下健夫 / サイエンスポータル編集部