夜イベントで滞在型観光 「VISON」 夕方以降にぎわい創出
多気町の商業リゾート施設「VISON」が始めた夜間のウォーキングイベントが、家族連れや若者らの人気を集めている。「新しい月見」をテーマにした体験型の企画で、イルミネーションやデジタルアートなどが楽しめ、SNSでも「 映（ば）「 える」と好評だ。三重は自然や歴史に関する観光スポットが多い反面、「夜のにぎわい」は乏しいと指摘されてきた。VISONの担当者は「周辺地域と連携して、滞在型観光の推進につなげたい」としている。（新良雅司）
「月」をテーマに
「月の神さまと不思議なまつり」と名付けたイベントで、参加者はまず受付でスマートフォンを使った「月占い」を行い、誕生日の月の形（月相）を知る。占いで出た自分の「月相色」と同じ色のチケットを購入し、夜空と光、立体音響で演出された約90分間のウォーキングコースを巡る。 コース内にある19か所のスポットでチケットをかざすと、自分の月相色にイルミネーションが変化する。コース内には、幻想的なフォトスポットも設けられ、月にちなんだ食事や飲み物、スイーツも味わえる。 VISONは2021年開業。約119ヘクタールの広大な敷地にホテルや飲食店、産地直送市場、薬草湯など約70店舗が出店しており、開業1年間で約350万人が来場した。しかし、夜間は飲食店のほかに営業している店舗が少なく、ホテルの宿泊者らが夕方以降も楽しめるアクティビティーの提供が課題となっていた。 政府は、デジタル技術を活用して地方創生を目指す「デジタル田園都市国家構想」を進めている。VISONは構想の実現に向け、県と多気、大台、明和、度会、紀北町などが実施する「三重広域連携モデル」の中核施設になっている。VISON広報担当の今原佐織さん（45）は「多気町から他市町への周遊観光を進めるため、今後も夜のイベントを実施していきたい」と話している。
◇来年7月まで
「月の神さまと不思議なまつり」の開催時間は午後6時半～10時半。来年7月まで実施する予定。事前販売チケットは一般1800円、中学生以下1200円から。当日チケットは一般2200円、中学生以下1600円から。問い合わせはVISON（0598・39・3190）。
