新たな食トレンド“モダンインディアン”とは? 注目のレストランをレポート
「オー・ペドロ」の料理はポルトガル料理とインド・ゴア地方の料理のエッセンスを組み合わせた、ユニークな皿がいろいろ。写真の右中央は「マッシュルームセビーチェ」(INR520)。リマ豆とマッシュルームのピクルスをふわふわのムースに。左下のパンはゴア名物の「ポイ」。ポルトガルの影響を受けて生まれたものだそう。 「南インド出身の僕自身、西海岸にあるゴアの料理をそれまであまり知らなかったんだ。インドは広いからね。ゴアを訪れてレストランをはしごしてまわったよ。料理もポルトガルの影響を受けているものが多くて、ゴアの料理とそのルーツであるポルトガルの料理を紐解いていく経験は、『オー・ペドロ』はもちろん、『パパズ』で新しいスタイルのインド料理を考えるのにも役に立ったね」とシャザードシェフは話す。
こちらは「オー・ペドロ」の内観。カジュアルモダンな雰囲気だ。
そして今回オープンした「パパズ」は、空間からしてユニークだ。元パン屋だったというコンパクトな建物の2階へと上がると、ウェス・アンダーソンの映画の世界観をイメージしたという独特の色使いとインテリアが目に飛び込んでくる。12席のコの字型のカウンターの中央でシャザードシェフとスタッフが、「ようこそ!」とチャーミングな笑顔でお出迎え。
カクテルは遊び心にあふれながらも、飲み心地がいいものがほとんどでぜひ試してみたい。 例えば、「SEA BISCUIT(海のビスケット)」(INR780)は、ジンベースにフェンネルとバジル、ハマグリのエキスが入っており、爽やかでほのかにうま味があり、食前酒にぴったり。「The Last Word(最後の言葉)」(INR900、右)はテキーラにマラスキーノ、アマーロ、パロサント、トマトの塩漬けを加えた、フルーティな一杯だ。
コースの料理は全部で13種類。スターターはインドのスイーツである「ベビンカ」や「チェナポダ」(オリッサ州のチーズケーキ)をアレンジし、「ベビンカ」には根セロリとデーツにトリュフ、「チェナポダ」(左、カヌレ型にアレンジしている)にはコンテチーズとキャビアなどと組み合わせ、深い味わいのセイボリーなフィンガーフードに。 南インドの料理「タイールサダム」(ヨーグルトライス 右)は、酢飯とヤギのチーズを混ぜてビーツのタルタルを合わせ、紫蘇をひよこ豆粉で揚げたものを添えて食感の違いを楽しむ一品に。