トランプ氏政策で好景気、25年に米株とドル押し上げへ-MLIV調査
米消費の堅調さが重要な要素となるだろうが、既に亀裂が生じている。中高所得世帯が消費を主導する一方で、低所得世帯は経済的な逼迫(ひっぱく)の兆しを強めている。トランプ氏が公約した関税によって企業がコスト増を消費者に転嫁すれば、低所得世帯への影響はさらに大きくなるだろう。
ステート・ストリートのマクロストラテジスト、ノエル・ディクソン氏は、株式とドルが共に上昇を続けるとの見通しに同意しているものの、家計へのリスクも認識している。
「米消費者の下位40%は依然として大きな圧力にさらされている」と同氏は指摘し、「関税のためインフレが加速したり、もしくは単に物価の高止まりが続いたりしただけでも、25年後半の需要は急速に低迷する可能性がある」と述べた。
年初に米国債利回りが上昇する見通しだとの回答は57%に上った。インフレ再燃の恐れがその理由である可能性が高い。
ステート・ストリートのグラフ氏によれば、米金融当局が利下げペースを落としたり、利上げを検討したりすることで金融政策支援を後退させる可能性は低いものの、これは既に割高水準にある株式市場にとっては依然として逆風となり得るシナリオだ。
「米金融当局がこれ以上利下げを行わない、あるいは実際に利上げしなければならないとの観測から金利が上昇することが限界点になるだろう」と同氏は指摘した。
原題:US Exceptionalism Will Propel Stocks, Dollar in 2025: MLIV Pulse(抜粋)
--取材協力:David Goodman.
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Kristine Aquino, Nick Bartlett