関学大が善戦もアメフット日本一を決めるライスボウルは社会人が12年連続V…大会の是非を真剣に議論すべき時期に
オービックの大橋ヘッドも言う。 「コンタクトスポーツにおいてのピークは20代中盤から後半。学生が経験したことのないようなコンタクトが起きたときに、それがボディブローのように効いている。フィジカル差が大きい。僕らが国際試合で感じることに似ている。ゲームの後半になるとコンタクト負けしている部分がミスを起こす」 全米カレッジフットボール経験者の庄島は、試合後、「フィールドに立つ以上、相手が、高校生であろうが、大学生であろうが、NFL選手であろうが、差を感じることに目を向けない。ただXリーグと大学生では、年齢的に埋められない肉体的な差があった。もっと完膚なきまでに勝てなかった自分らがふがいない」と、まで言い放った。 今回は1Qの時間を12分に短縮した効果が、多少は生まれたが、現行のルールのままでは、学生代表がジャイアントキリングを起こす可能性は低いだろう。 なんらかの根本的な見直しの時期にきていることは確かである。 関学OBで、この日、NHKの解説を務めた有馬隼人氏は、こんな意見を持つ。 「大学1年生と、アメリカでアメリカンフットボールを経験している外国人選手がガチンコでぶつかることには問題があると思う。1Qが12分になったことでゲームは面白くなったが、ライスボウルの特別ルールが必要でしょう。箱根駅伝でも外国人枠が決められている。たとえば、ライスボウルに限っては、外国人選手の出場は第1Qと、第3Qのみにするなどの見直しをしてはどうか。ただ特別ルールを作ってまでライスボウルをやる必要があるのか、という議論もある。ラグビーは、ずいぶんと前に日本選手権の方式を改めた。今後、XリーグからどんどんNFLに選手が出ていくくらいにレベルが上がってくれば、まったく太刀打ちができず、フェアな勝負にならなくなる。学生は学生、社会人は社会人でフットボールを突き詰める形がいいのかもしれない」 箱根駅伝は、外国人留学生のエントリー登録は16人中2人、出場は10人中1人と制限されている。またラグビーも1997年を最後に社会人王者vs学生王者のワンマッチ方式を改め、現行のトーナメント方式に変更している。 歴史のあるライスボウルを廃止してしまうことには反対だが、学生王者の奇跡的な勝利を待つのではなく、段階的に、まずは実力差を是正するための特別ルールの採用を考慮する時期に来ているのではないだろうか。