日産・西川社長が会見 ルノー新体制を受け(全文1)経営統合の提案は受けていない
日産・ルノーの経営統合報道についてどう考えているのか
東洋経済新報社:東洋経済の岸本です。まず1点目が、先日、報道でフランス政府が日産とルノーの経営統合、日本政府の関係者に提案したという報道がありましたが、同様の提案が日産側にもあったのかっていうことと、その提案があったとすれば、日産としての現在のスタンスをどのように考えているのか、それをお願いします。 西川:はい。そういう報道があったことは私も承知しておりますけども、日産、私、われわれには、そういうご提案をいただいたことはございません。で、何度も申し上げますけども、アライアンスというのはそれぞれのメンバーが発展をしていくためのベースですから、そういう意味で、そのために、あるいはわれわれがアライアンスとして日々仕事をしている仕事を、安定的に将来もやっていけるためのベースが必要であるということなんで、まずそれを第一に考えていきたいと思っておりますし、今、そういう形態の議論を将来に向けて何がいいんだろうかということを議論するときではないし、場でもないと思っております。 今はやはり、日々行っている、お互いに自立性を尊重しながら、Win-Winの関係でシナジーを最大化していくと、この原則に従って行われる活動が、日々、短期・中期・長期含めて、安定的に安心して行える環境をつくると、あるいは維持するということが最大の課題であって、そのために取締役会同士の信頼関係、いいコミュニケーションを築くというのが一番大事な喫緊の課題だというふうに思ってます。 司会:はい。じゃあ真ん中の方。こっちのほう。
新体制になったからと言ってルノー取締役会との対話がうまくいくのか
朝日新聞:朝日新聞の【タカハシ 00:12:52】です。先ほど、西川さん、ゴーンさんが逮捕されて以降、日産とルノーの取締役の方とでコミュニケーションが難しかったというお話をされていて、で、今回、新体制になってからはうまくいくだろうというお話だったんですけれども、これまでなぜうまくいかなかったものが、今回、新体制になってうまくいくとお考えなのか、ということを教えてください。 西川:やはり1つは、この11月に日産の取締役会は大きく将来に向けて不正対応、不正に対して、発見された、確認された事案に対して大きな意思決定をしたわけですね。一方でルノーの取締役会の皆さんは、その事案全体というよりは刑事裁判の様子を見守るというスタンスで来られたんで、ここで少し、次のステップに向けた動きというところでギャップがあったということだと思います。 そういう中で2カ月近くたったわけですけども、ここで2つありまして、ルノーの中でやはり次の体制に向けて大きくかじを切られたということ、それと、その結果、われわれから見ても、確固たるルノーの新体制、あるいはリーダーが見えたということがありますので、そういう意味では非常にポジティブなステップであるということで、われわれもこれからは大きく、前向きな議論が確実にできるということを期待してるということであります。 朝日新聞:あともう1点、御社と三菱自動車さんはゴーンさんを解任という形を取られて、一方でルノーのほうでは解任ではなくて辞任という形になったと思うんですけれども、その辺りの受け止めはどのようにされていらっしゃるでしょうか。 西川:これはルノーの中の決定ですから、われわれは特にコメントをすることはできません。ただし、日産自動車での取締役会で決めた決議というのは、これは取締役会のメンバー全員で決めた話ですので、解任に値する事象があったということで、この解任はわれわれの全会一致の結論であると。 で、三菱さんと日産と、ルノーで違うじゃないかということについては、それぞれ受け止め方、三菱さんの場合には、やはりパートナーを組んで、もともと日産のノミネーションとして会長職を務めていた個人が、日産で解任っていうか解職ですね、解職をされたということですので、そこは重く受け止められたんだというふうに思います。で、今回のルノーにおけるプロセスについては、私も詳細は承知しておりませんので、これはコメントできないということだと思います。 司会:はい。