東京電力、会長が年頭あいさつ 「安全最優先の原子力活用が重要」
東京電力ホールディングス(HD)は6日午前、東京本社と福島第1原発を中継でつなぎ、小林喜光会長らが社員向けの年頭あいさつをした。小林氏は生成AI(人工知能)などで電力需要の拡大が見込まれることに「持続的な成長に向けた大きなチャンスだ」と語った。 【写真】福島第1原発、今も残る津波の爪痕 東京本社で幹部社員ら100人を前にあいさつした。小林氏は冒頭、福島第1原発事故を踏まえ「福島への責任の貫徹」を最大の使命と掲げた。一方で、電力需要の拡大や二酸化炭素(CO2)削減に向けて「安全を最優先とした原子力の活用」が重要だとした。 福島第1原発であいさつした小早川智明社長は「当社の原点は福島であることを改めて共有したい」としたうえで、「地元との信頼関係を強化し、復興の原動力となる」と述べた。 東電HDの2024年3月期の最終損益は2678億円の黒字(前期は1236億円の赤字)で、2年ぶりに黒字に転換した。だが、新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働に対する地元同意が得られておらず、24年9月中間期は最終黒字が半減している。【小倉祥徳】