フジ新人アナへの“容姿イジリ”に批判殺到…「差別狩り」を繰り返す世界に絶望が深まるワケ
日経新聞の広告考査を通ったことからもわかるように、日本ではこのような2次元キャラクターの性的描写を「現実とかけ離れた妄想」「純粋なエンタメ」として問題視しないムードがある。しかし、一部の方からは「性差別」という声が上がって炎上した。 と、まあここまではよくある話なのだが、なんとこの炎上が海を越えて、海外のアニメファンに人気のニュースサイト「Anime News Network」まで取り上げたのである。 そう聞くと、「けしからん!フェミニストが騒いで反日広報をした」なんて誤解をする人もいるだろう。しかし、海外メディアがこれに注目したのはシンプルに、自国の常識とあまりにかけ離れていて驚いたからだ。 例えば、アメリカでは子どもへの「性的搾取」を社会全体で防ぐという考え方なので、18歳未満を性的対象とするようなアニメやマンガを公共の場でバーンと紹介することをよしとしない。胸を強調したミニスカートの少女は、ニューヨークタイムズの全面広告になることは考えられない社会なのだ。 西側諸国の基準に照らし合わせれば、日本のアニメやマンガの女性蔑視は「あり得ない」。だから西側諸国が主導権を握る国連も同じ反応だ。女性差別撤廃委は日本のアニメ・マンガに対して、このような勧告をしている。
「差別的なジェンダー固定観念を助長し、女性と女児に対する性的暴力を強化するポルノ、ビデオゲーム、アニメーション製品の生産と流通に対処するために、既存の法的措置と監視プログラムを効果的に実施すること」 納得のできないアニメやマンガのファンも多いだろうが、これもまた先ほどの天皇と同じだ。我々の感覚では素晴らしい文化であっても、性差別・児童ポルノと捉える西側諸国も少なくないのである。 そして、このような西側諸国の価値観がニュースやネット・SNSを介してどんどん日本国内に入ってくるので、日本人の中にも「おかしいんじゃないか」と言い出す人が増えている。 そうなればヒマな人たちによる「差別パトロール」が増える。ネットニュースやSNSを徘徊しながら、「あれは差別だ」「これは差別だ」と指摘をしてどんどん吊し上げていく。 やっている側からすると、これほど楽しいことはない。「差別のない社会」に貢献している充実感もあるし、「悪」を叩きのめす爽快感も得られる。正義を実行するの承認欲求も満たされるのでどんどんのめり込む。結果、次から次へと「差別主義者」が摘発されていくというのが、今の「差別狩り」の状況だ。