大学生になったらたくさんアルバイトして、充実した生活を送りたいです。親から「稼ぐ額に気を付けて」と言われましたが、稼ぎすぎると負担が増えるのでしょうか? 負担といっても、大した額じゃありませんよね?
大学生活を楽しむには、ある程度のお金が必要です。ただし、アルバイトであまり稼ぎすぎると、親が支払う税金にも影響が出ます。本記事では、その影響について解説します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
大学生のアルバイト事情
株式会社マイナビ(東京都千代田区)が実施した「大学生のアルバイト調査(2024年)」によれば、アルバイト就業経験のある大学生は全体の89.5%であり、実に9割近くの学生が何かしらのアルバイトを経験しています。また、調査段階で「現在アルバイト就業中」と回答した大学生は71.1%と、全体の約7割となっています。 また、アルバイト形態は85.9%が「定期的なアルバイト」で、「短期・単発のアルバイト」が25.6%、「長期休み限定のアルバイト」が7.4%であることから、多くの学生が年間を通じてアルバイトに従事していることがうかがえます。また、アルバイトの職種は図表1の3つが全体の64.7%を占めています。 図表1 アルバイトをしている職種TOP3
出典:株式会社マイナビ「大学生のアルバイト調査(2024年)」をもとに筆者作成 ■アルバイトの平均収入 同調査において、アルバイト就業中の大学生の平均手取り月収は5万9900円で、手取り年収では66万9300円です。一方で、大学生の希望する手取り月収は平均8万400円で、実際の手取り額とは2万円程度の差があるようです。 なお、平均的な勤務時間は4.8時間、1週間当たりの勤務日数は3.0日となっています。
アルバイト収入が増えることで影響する親の税負担
各納税者の個人的事情を考慮し、最低生活費を保障することを目的に、「所得控除」の制度が設けられています。これは所得税の計算において、収入から一定額を控除し、課税対象となる所得を減らすことで税負担を軽減するための制度です。所得控除には、「社会保険料控除」「配偶者控除」「医療費控除」といった15種類の控除があります。 ■家族を扶養している場合の扶養控除 家族を養っている人の場合、そうでない人よりも経済的負担は大きくなります。そのため、その経済的負担を税金面で軽減するために、所得控除の一つとして「扶養控除」があります。 扶養控除によって収入から控除される金額は、図表2のとおりです。 図表2