箱根駅伝、今季も「花の2区&山登りの5区」が熱い 有力校は誰が走る? 見どころを探る
単純にハーフマラソンの自己ベストを見ると、エティーリ(東京国際大)が59分32秒で全体トップで、1時間00分11秒の篠原(駒澤大)、1時間00分16秒のキップケイ(日大)、1時間00分31秒の吉田(中央学院大)と続くが、箱根2区には14キロ地点に名物の「権太坂」、さらに20キロ付近からの残り3キロは「戸塚の壁」とも呼ばれる激しいアップダウンがある。単純なスピードだけでは勝つことはできない。誰が区間賞を取るのか、どのチームが2区でレースの流れを掴むのか、非常に注目であり、楽しみだ。 続いて箱根の5区(20.8km:小田原中継所~芦ノ湖畔)はどうなるか。過去、今井正人(順天堂大)、柏原竜二(東洋大)、神野大地(青山学院大)と伝説的な「山の神」を生み、前々回の第99回大会、前回の第100回大会は、山本唯翔(城西大)が2年連続で区間新での区間賞に輝き、「山の妖精」と呼ばれた。 その山本が卒業した第101回大会、まず注目したい有力ランナーが、青山学院大の若林宏樹(4年)だ。1年時に5区で区間3位の走りを披露して往路&総合優勝に貢献した若林は、2年時に体調不良で出走を断念した悔しさを味わった後、3年時の前回大会で山本(城西大)には及ばなかったが、自身も区間新の走りを見せて区間2位となった。自身最後の箱根、「若の神」として今度こそ区間賞との意気込みは強い。 “想いの強さ”は創価大の吉田響(4年)も同じだ。東海大の1年だった第98回大会で若林を上回る区間2位の走りを見せて、次なる「山の神」候補として騒がれたが、創価大へ編入して迎えた3年時の前回大会は、低体温症に陥って区間9位に沈んだ悔しさがある。最終学年となった今年は、出雲、全日本と好走して好調を維持している中、吉田本人の希望は5区山登りで、自ら「山の神になる」と宣言している。チーム戦略的に2区出走の可能性もあるが、ファンとしては「若林vs.吉田」の山勝負が見たい。