『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』主演声優・磯部勉「静と動がうまく描かれた作品です」BS松竹東急で9・8スタート
9月8日(日)から放送される海外ドラマ『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』(BS松竹東急 毎週日曜 午後10時~11時 ※初回は午後9時~2時間SP)で主演声優を務めた磯部勉さんにインタビュー。収録当時の思い出やエピソード、作品を通して視聴者に伝えたいことなどを聞きました。 【写真】『超音速攻撃ヘリ・エアーウルフ』場面カット&登場人物 本作は、80年代に大ヒットした空中で繰り広げられるアクションが人気の海外ドラマ。苦しい経験をした主人公のストリングフェロー・ホーク(声:磯部勉)が、秘密裏に開発された攻撃用ヘリコプター・エアーウルフを駆使し、さまざまな事件に挑む。 ◆本作がBS松竹東急で放送されるというのを聞いた時の心境はいかがでしたか? なんで今なんだと思いました(笑)。演じさせていただいたのも約40年前になりますし、ひたすらびっくりでしたね。でも、サインを求められるとき、今でも時々エアーウルフのパンフレットを持ってきてくださる方がいるんです。「人気なんです」と言っていただけるので、僕の知らないところで人気があったみたいです。 ◆BS松竹東急での放送に当たり告知ナレーションを収録されたとのことですが、収録はいかがでしたか? 役としてナレーション撮りをしました。でも、主人公のホークを実際に演じているジャン=マイケル・ヴィンセントは若いじゃないですか。今の僕はいい年なので、大丈夫かな…と今日家を出る時からずっと心配していたんです。もうちょっと若くしろとか言われないかなと(笑)。でも、NGが出なかったので良かったです。 ◆収録当時の思い出はありますか? 初めてシーズンをさせていただいたのがこの作品なんです。この作品の前に「クレイマー、クレイマー」という作品をやらせていただいたのですが、全然できなくて僕だけで収録に12時間もかかっちゃって。なので、もう二度とやりたくありませんって言っていました(笑)。その1、2年後にきた仕事がこれだったんです。できないと思ったし、皆さんにご迷惑をかけてしまうのが嫌だったので断ろうと思ったのですが、「せっかくオファーがきたんだからやりなさい」と言われて、やることになりました。この作品には富田耕生さん、戸田恵子さん、家弓家正さんなどいろいろな方がいらっしゃって、たくさんのことを教えていただきました。今までなんとかやってこられたのは、この作品がきっかけだったのかもしれません。 ◆この作品をきっかけに、声優のお仕事もやっていこうと決意されたのでしょうか? でもやっぱり難しいなと思いましたね。僕はけっこう緊張しいなんです。マイクの前に立つと震えちゃうこともあって。このままやっているとどうなっちゃうんだろう、体に良くないなと(笑)。そういう感じはいまだにします。 ◆放送中、周りからの反響はいかがでしたか? 友人からメッセージももらいました。最初に電話をもらったときは、おまえの顔が出てきちゃって面白さが半減しちゃうからやるなと言われました(笑)。でも、話としては非常に面白いねとみんなに言っていただいたので、うれしかったです。 ◆主人公のホークを演じるに当たって当時意識していたことはありますか? ホークがどのような人物だとか、細かいことは考えずにやっていた記憶があります。ただ、画面を見ていると非常に難しそうなタイプの男だなと思いましたね。神経質そうな感じがして。でも一番は、どうやったら他のキャラクターの皆さんとうまく掛け合いができるかな、ということを意識しながらやっていました。 ◆シリーズものなので、やっていくうちにつかんでいったイメージなのでしょうか。 そうですね。皆さんを見ていて、こういうときはこうすればいいんだ、というのを教わりました。特に戸田さんには教わるところが多くて。歌もお上手だし、劇中で歌を歌わないといけないところも「こういう音程ですよ」「こういう歌い方をしなさい」といろいろ教えていただきました。戸田さんは本当にお上手ですよね。びっくりしちゃうくらい。 ◆富田さんとの印象的なエピソードは何かありますか? 普段と現場の印象があまり変わらない方です。包容力が大きいというか、声を聞いているだけでこっちが癒やされる感じがして、すごく好きでした。お酒を飲んでも何をしてもお変わりにならないし、いつもすごく褒めてくださるんです。「おまえはいいよ」って(笑)。それが本当にほっとしますし、このままでいいんだと思わせてくださいました。すごく大きなものを持ってらっしゃる方だなという印象です。 ◆家弓さんの印象はいかがでしたか? この作品は名優ぞろいで、収録のときに後ろから見られていると思うと緊張しますよね(笑)。家弓さんはモダンで、ああいう雰囲気を持った方って今なかなかいらっしゃらないんじゃないかなと。家弓さんはあまり人にアドバイスしたり口を出したりされる方ではなくて、マイクの前に立ってスッと演じられる。当時は本当に勉強させてもらいましたね。 ◆当時収録をしていたときのキャストの皆さんとの思い出やエピソードはありますか? 和気あいあいと気持ちをほぐしていただいた記憶があります。僕がかたくなっていたかもしれないですね。有名な方がたくさんいらっしゃって、収録に行くのが楽しみでした。そういう方々と知り合いになれたというのは財産ですね。 ◆この作品の魅力や面白いところはどこだと思いますか? 珍しいなと思ったのは、静と動です。主人公がヘリに乗るアクションシーンもあれば、湖のそばで犬と一緒にいるシーンもある。その静と動がうまく出ている感じがして、作り方がうまいなと思いました。キャラクターも皆さん際立っていて、やっていて面白かったですし、見ていても楽しかったです。 ◆放送から約40年ほどたって再び放送されるということですが、昔からのファンの方だけではなく初めて見る方もいらっしゃると思います。これから皆さんにどういった形で見てほしいという思いや、伝えたいことはありますか? 勧善懲悪じゃないですけど、正しいことは必ず通るぞというものが基本になっているところですかね。複雑な人間関係があったとしても、その中で何が一番正しいのか。正しいというのは学校みたいな正しさじゃなくて、自分にとって正しいかどうかを選択しているというのが大事なんだなと思います。僕は時代劇で悪い役ばかりやっていたのですが、悪の中にも、自分が正しいと思うことを貫いた結果、悪になっちゃったという人もいて。そういう人もいるんだぞということも意識しながら見ていただけたらと思います。悪って物悲しいじゃないですか。でもそんなところが僕は好きですね。 ◆最後に、番組を楽しみにしている視聴者の方にメッセージをお願いします。 ものすごく新鮮に見えると思います。ヘリコプターでここまでやるのはなかなかないですよね。頭を空っぽにして見ていただけたら面白さが倍増すると思います。ぜひご覧いただけたらうれしいです。 <プロフィール> 磯部勉 ●いそべ・つとむ…1950年10月13日生まれ。東京都出身。A型。
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