「一般選抜は、機能しなくなる」 専門家が大学入試の将来を予測
難関大の総合型を突破するには?
入試方法が多様化する中、自分にとってどの方法で出願するのがベストなのかを見極めるのは、難しいものです。石原さんは、次のように話します。 「まずは、自分が将来何をしたいのか、何を学びたいのか、それにふさわしい大学はどこかということを、低学年のうちからオープンキャンパスなどに参加して探しておくことをおすすめします。行きたい大学が決まれば、特に私立大学はさまざまな選抜方法があるので、自分の学力に合った方法を見つけられるはずです。しかし、年内に合格することを優先することはおすすめできません。入学後に大学とのミスマッチが起こりやすくなるからです」 年内入試の中でも総合型選抜は、「この大学でこんなことを学びたい」という強い思いがあれば、合格しやすい受験方法といえます。総合型選抜は、入学者に求める人物像をまとめた「アドミッション・ポリシー」と合致した学生を選抜することを目的としているからです。もちろん、強い思いを的確に表現できなければ、相手には伝わらないので、小論文や面接など思いを表現するための基本的な力を身につけておくのは大事なことです。さらに難関大学の場合は、プラスアルファの力も必要です。 「難関大学の総合型選抜は、特定の分野に秀でているような学生が合格する傾向があります。具体的にイメージしにくいかもしれませんが、競技歴や入賞歴などを評価するスポーツ推薦と同じように考えるといいと思います。数学オリンピックや小説コンクールでの受賞、そこまでいかなくても、小学生のときから続けている天体観測のレポートがあるといったことが役立ちます。その分野を大学でさらに伸ばしたいという志望動機があると合格に近づきます」 低学年のうちから行きたい大学を見つけておくことと、どのような受験方法があるのかを調べておくことが、合格に近づくカギとなりそうです。
プロフィール
石原賢一 教育ジャーナリスト、大学入試アナリスト。京都大学工学部卒。1981年学校法人駿河台学園駿台予備学校に入職。高卒クラス担任、高校営業、講師管理・カリキュラム編成、神戸校校舎長などを歴任したのち、2006年より18年間入試情報部門の責任者として各種マスコミへの情報発信、大学、高校での講演などを数多く担当。24年3月に退職し、現在は43年間にわたる予備校での経験を生かし、少子化が進むなかで大きな岐路に立っている高大接続の現状や今後についての分析、発信を行っている。
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