【インテリア業界の売れ筋とSNS分析】流行と戦略のマッチングが鍵
購入者による発信が好影響
回答を得た2社のSNSの指標もまとめた。 SNSの関連数値が売り上げに直結しているわけではなく、「いいね」を押したユーザーと購入者が異なるケースがあるとの見方もある。 ただ、購入者や商品を求めるユーザーからのSNS発信は少なからず売り上げに影響はあるようだ。 インフルエンサーによる発信も売り上げには関係してくるが、近年は、依頼する形よりも、インフルエンサーが実際に気に入ったものを発信して認知が広がる流れが一般化している。企業が知る前に「いつの間にかバズっている」という現象はこの流れが目に付く。 ただ、フィルのように、マスキングテープを知っている層に「EASY WALL TAPE」がアプローチできたことでSNS上で急速に認知が進んだ事例もある。実際のコメント欄に実用性などに触れた内容が多いのは、商品を求める層にリーチできた一つの理由でもありそうだ。 また、友安製作所は現状で、売れたアイテムとSNS投稿に関連性はないと分析している。実際の購入者はSNS経由ではなく、単に商品を求めていたユーザーが検索して購入する流れになっている場合が多いとみる。 <流行と自社戦略をマッチ> 2025年はどんなインテリア用品が売れそうなのか。 自社オリジナルブランド「TEKKI CRAFT」を強化していく友安製作所は自社が売りたいものと、ユーザーの要望をマッチさせた展開を図るとしている。 フィルは、壁紙DIYに対するハードルをいかに下げられるかがポイントと見て、昭和レトロブームや環境問題に向き合う植物由来の壁紙の開発、自社ならではのデザインで攻勢を図るという。 カリモク家具は、サイズ性が重要であるとした上で、「数センチ、数ミリの単位でのオーダーメードや搬入時に分解可能なノックダウン構造など、提案力の高い商品などは今後ECでも売れる可能性が高い」(カリモク家具)と話す。 ミサワは、ソファカテゴリーで好調なペット対応生地の拡充を予定している。クッションカバーや自社オリジナル開発の照明などアイテムを強化していく考えだ。 トレンドと消費者のニーズを捉えつつも、自社の戦略や強みを時代の流れにどのように組み込んで訴求していけるかが鍵を握りそうだ。
日本ネット経済新聞