軸のブレないGクラスは、尊敬に値するワケとは? 新型メルセデス・ベンツ G450dに悪路で乗った!
大幅改良を受けた新しいメルセデス・ベンツ「G450d」に、サトータケシがオフロードで試乗した! 【写真を見る】新型G450dの内外装など(22枚)
全グレード電動化を実現
2018年にビッグマイナーチェンジを受けた現行メルセデス・ベンツGクラスが、はじめての大幅改良を受けた。改良後のラインナップは、3.0リッター直列6気筒ディーゼルターボを積むG450d、4.0リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジン搭載のメルセデスAMG G63、そしてBEV(バッテリー式電気自動車)のG580の3モデルとなる。 ディーゼルとガソリンには48Vのマイルドハイブリッドシステムが備わるから、Gクラスはすべてが電動モデルになったことになる。ここでは、G450dのオフロード試乗のインプレッションをお伝えしたい。 改良を受けたといっても、外観はほとんど変わらない。従来型のG400dと比べると、ラジエターグリル内の水平方向のルーバーが3本から4本に増えたことが目に付く程度。ただし、空力性能向上のためにAピラーの形状を変え、ルーフ前端にリップスポイラーを追加している。新鮮味を演出するための意匠変更ではなく、機能向上のために手を加えているところに好感が持てる。 オフロードコースに入る前の儀式がふたつ。 まず3つ並んだデフロックスイッチの上に位置する「OFFROAD COCKPIT」のスイッチを押す。するとセンターディスプレイがオフロード仕様に変化、デフロックの作動状況や車体の傾きなど、悪路を走る際に有用な情報が表示される。 もうひとつ、デフロックスイッチの下にある「LOW RANGE」のスイッチもプッシュ。すると、通常のハイレンジでは1.00だった減速比が2.93になり、悪路での駆動力がぐっと高まる。 こうして悪路走破仕様のセッティングを施してから、まずは大きなコブ山が並ぶモーグルのセクションからチャレンジする。 這うようなスピードでコブ山を登りながら、極低回転域でも微妙なアクセル操作に反応してくれるレスポンスに感心する。冒頭に記したように、G450dはマイルドハイブリッドシステムを搭載、スターターとジェネレーター(発電機)の役割を兼ねるモーター(ISG)が、エンジンをアシストする。 モーターが駆動しているという感触はほとんどないけれど、超低速のエンジン回転数が低い領域の好レスポンスと滑らかな加速フィールは、モーターの手柄だろう。右足の親指の付け根に、ほんのちょこっと力を加えるぐらいのアクセル操作にも繊細に反応してくれるから、楽しく、自信を持ってアクセルをコントロールすることができる。 モーターによる駆動は、もちろん省燃費ももたらす。そしてもうひとつ、エンジンが苦手とする極低回転域をアシストすることで、悪路の走破性能向上にも貢献している。 ここで、センターディスプレイのカメラの形のアイコンを押すと、「トランスペアレントボンネット」が作動して、ボンネットの下の路面がディスプレイに映し出される。尖った岩がゴロゴロしているようなガレ場を走るときに活躍する機能だ。