接客、飲食、工場...何をやってもダメ。「歩く不器用」を自覚するポンコツな私が、今の仕事に出会うまで
「不器用」のあまり、幾多の職場を渡り歩く
学生時代、単発や短期のバイト・派遣をやりまくっていました。社会人になってからも、転職活動が長引き、その間また単発や短期のバイト・派遣を経験しました。その職種や現場は多種多様。今までいくつの種類の仕事をやったかわかりません。 とにかくいろんな仕事にチャレンジしましたが、そこで気づいたことがありました。それは、自分がどうしようもない“ポンコツ”だということ。もちろん、単発や短期の場合、教えてもらう時間が少なく、ぶっつけ本番なので、どんな人でも苦戦するという側面はあります。しかし、それを差し引いても、シンプルに、あまりに仕事ができなかったのです。 元々、本当に手先が不器用でした。例えば、折り紙。みんなが折り鶴を簡単に折る中、ひとりガタガタの折り鶴を生み出し、周囲から「複雑骨折してる」とからかわれました。
講師に「ゴミですね」と言われたラッピング
そんな私が大人になって挑戦したのが、バレンタインのラッピングのバイト。バレンタイン用のチョコを購入したお客さんの目の前で、商品を包装紙やリボンで包むという仕事です。いや、まずそもそも不器用なヤツがなぜ応募するんだ、というツッコミはさておき、なぜかラッピングするだけでお金がもらえるなんてラッキー! と思った私は、ラッピングの研修会に参加しました。タイムを計って、包装紙で箱を包むのですが、ひとりだけ一向にクリアできません。 出来上がったものは、紙のはしが箱からズレていて、ところどころしわくちゃになっています。それを見た講師が、ボソッと「ゴミですね」と言い放ったのです。一瞬耳を疑いましたが、講師もさすがにまずいと思ったのか、すぐに笑顔を取り戻し、「今回は不合格ですが、また参加してくださいね!」とひきつった笑顔で言われました。
飲食店でも「やらかし」連発
ラッピングができないって、接客業では致命的。お菓子屋さんなんかでは避けて通れない工程です。実際、お客さんの前で包むことは何度か経験したのですが、あまりに遅くて下手なので、お客さんに心配そうな目で見られることもよくあり、いたたまれなくなりました。ラッピングがないところに行こう! そう思って次に向かったのが飲食店。 そこで待ち受けていたのは、ビールサーバーという宿敵でした。グラスを傾けて注ぎ、最後に泡をちょうどよく注ぐ必要があるのですが、これが結構難しいんです。でも、単発バイトなので研修はありませんでした。ぶっつけ本番で店頭に立つと、サラリーマンが昼間からビールを頼むではありませんか。まぁだいたいの感じで! と、グラスを持って注ぎ始めましたが、ビールが止まりません。気がつけば泡が吹きこぼれ、服も靴もビールまみれに。お客さんは苦笑いで許してくれましたが、店長からはブチ切れられました。 その後も、トレーに入った唐揚げを床にぶちまけたり、たこ焼きの素が入った鍋がシンクに置いてあったのを洗いものだと勘違いして、そのうえで食器をじゃぶじゃぶ洗ってまるまるダメにしたり、ありえないミスを繰り返し、店長にブチ切れられる日々が続きました。