接客、飲食、工場...何をやってもダメ。「歩く不器用」を自覚するポンコツな私が、今の仕事に出会うまで
「ス! マ! イ! ル!」の呪いにかかったカフェバイト
それでも愛想だけは謎に自信があったのですが、カフェでバイトをしていると、店長から、「気を抜くとすぐ真顔になる! あかん! スマイルや! スマイル!」と言われました。ことあるごとに「スマイルやで、ス! マ! イ! ル!」と言われ続け、軽くトラウマになり、気がつけば眉間に皺が寄り、笑顔がひきつるように。笑顔すらまともに作れない自分って……。 また、お釣りの渡し間違いも本当に多かったんです。4000円以上返さないといけないのに、商品を渡したら満足して、ありがとうございました! と言ってフリーズしていると、お客さんが「ん?!」みたいな顔でこちらを見つめてくるではありませんか。私も「え、何かありましたか?」みたいな顔で見つめ返すと、「お釣りがまだで……」と言われ、「はぁぁぁっっ!!!!」と大慌てで渡す、なんてことも。
工場で与えられたのは「段ボールを潰すだけ係」
接客業がダメなら、工場ならいけるのでは? とまた安易な考えで、今度は工場バイトにチャレンジ。しかし、当然「歩く不器用」な私に向いているわけがありませんでした。 そこでは、シャンプーセットを詰める箱を組み立てたり、美容クリームの蓋を閉めたりする作業を行っていました。やはりここでも、他の人ができることが、ことごとく私にはできませんでした。箱を組み立てるだけなのに、毎回上手くできず、蓋を閉めるだけの作業も遅い。でも、ベルトコンベアでどんどん商品が回ってくるので、手を止めるわけにはいきません。気がつけば後ろから手が何本も出てきて、尻拭いをしてもらう始末。リーダーに、ちょっとあんた! と何度も呼ばれ、どんどん簡単なレーンに降格させられていきました。 しかし、回された工程すべてで恐ろしいほどうまくできなかったので、最終的には、みんなが作業して出た段ボールをひたすらつぶすだけの作業をひとりでやることに。もちろん、段ボールを潰すのも下手でした。 また、単純作業をしていると、時間が経つのがありえないくらい遅く感じられ、精神的苦痛がすさまじかったのです。これは向いていない! と確信しました。 当時は関西にいたので、こういった失敗談も全部ネタにして友達に披露し、笑いに変えていました。でも、あまりにどこに行っても使いものにならず、とんでもない失敗を繰り返す中で、ある確信が芽生えるようになりました。