【残り1カ月】駆け込みで「ふるさと納税」してはいけないNGパターンとは
「豪華な返礼品がお得に手に入る」ふるさと納税の利用者が激増している。果たして“お得感”は、税制上でも得られるのか。同制度はどうしてできたのか。なぜ「寄付」として扱われるのか。つい見過ごしがちな面も振り返りながら、今年もあと1カ月となったふるさと納税を有効に利用するすべを考えてみよう。(ZEIKENメディアプラス 代表取締役社長 宮口貴志) 【この記事の画像を見る】 ● 今年あと1カ月のふるさと納税「駆け込み」は要注意 2024年の「ふるさと納税」の期限がいよいよ来月末に迫ってきた。「もう少し利用しようか……いや、やめておこうか……」――筆者の周りには毎年この時期、決まってこんな葛藤にさいなまれる人たちがいる。23年度は利用者がついに1000万人を突破、寄付総額も1兆円を超えたふるさと納税。「2000円で豪華な返礼品がもらえる」のは、あらゆる物価が上昇傾向にあるこのご時世で何ともありがたい話である。 一方で、過熱する自治体間の寄付獲得競争に歯止めをかけるべく、国はこれまでも幾度となく返礼品提供に関するルールを厳格化してきた。19年には「返礼割合は寄付総額の3割以下」「返礼品は地元産限定」に。23年には「返礼品と経費の合計は寄付総額の5割以下」の徹底が図られた。さらに、24年10月には、宿泊利用券を返礼品にする際の価格制約や、25年10月以降の「ふるさと納税ポータルサイトの独自ポイント付与による寄付募集禁止」が告知され話題となった。 このように、何かと返礼品だけがクローズアップされがちな同制度だが、考えてみれば、本来は住民税(地方税)の納税制度だ。というわけで、当連載としてはこの機会に改めて「税」の面から同制度の特徴を再確認していきたい。 そもそも、ふるさと「納税」なのになぜ「寄付」として扱われるのか? それに伴う控除の仕組みはどうなっているのか? さらに、年末にかけて駆け込み利用が増えるといわれるが、一歩間違えば税の取り扱い上、かえって損をする結果を招きかねない場合もある。そんなNGパターンとは何か。 気になりながらも見過ごしがちだったこれらの点についても、この際少し知識を入れた上で、ふるさと納税を上手に使いこなしていこう。