クラウド会計「使ってみた」(2)freeeは簿記の知識がいりません?
スマホでさまざまな会計処理が可能
freeeは、スマホでさまざまな会計処理を行える点も特徴の1つです。先の領収書の読み込み作業に加え、銀行口座やクレジットカードから取り込んだ取引の仕訳も、スマホアプリで可能です。取引明細を画面に表示し、勘定科目などの確認を終えた後は、スワイプして登録が完了です。これはわかりやすいと感じました。 藤井さんは、「コツがわかるとシンプルです。スマホでこれだけ入力できるという点で、他社とは圧倒的に違います。一番大事なのは会計処理が日々続けられることです。仕事が溜まらず、楽に続けられます」と力説します。 これまで、心が折れるほど手入力に苦しんできたので、「スマホで楽に続けられる」というポイントは本当に素晴らしいことです。 会計処理に加え、確定申告の書類作成も基本的にスマホだけでできます。コンビニなどで書類を出力すれば、パソコンやプリンタなしでも確定申告の準備は可能です。 ただ、現状では、口座振替の処理など複雑な操作が必要なときは、スマホよりパソコンの方が楽なため、藤井さんは「普段の会計処理はスマホ、込み入った作業が必要なときはパソコン、と使い分けるのがやりやすいのではないでしょうか」と併用を勧めます。
3種類のプラン比較
「クラウド会計ソフト freee」の利用プランは、月額980円(年間9800円)の「スターター」、同1980円(同1万9800円)の「スタンダード」、同3980円(同3万9800円)の「プレミアム」の3種類(いずれも税抜き)。 スターターは、スマホアプリでのレシート取込が月5枚までしかできませんが、他の2プランは無制限で利用できます。サポートは、3プランともチャットとメールが使えますが、スタンダードとプレミアムは、サポート窓口が混み合っているときでも、スターターよりも優先して対応してもらえます。 スターターはフリーランスや開業初年度の人向け、スタンダードは店舗(1軒)の経営者やEC運営者向け、プレミアムは複数店舗の経営者や、いわゆる「法人成り」を目指す人向け、という位置づけです。 筆者が選ぶなら、レシート取込が月に5枚で済みそうになく、また、必要なときにすぐにサポートしてほしいので、スタンダードになりそうです。 (取材・文:具志堅浩二)