公平性や財源に課題 給食無償化で論点整理 文科省
文部科学省は27日、全国で小中学校の給食費を無償化する上での「課題の整理」を公表した。 給食がない学校の児童生徒やアレルギーなどを理由に食べていない子らに恩恵が及ばず、「公平性の問題が生じる」と指摘。公立学校に限って無償化した場合でも年間約4832億円の安定財源が必要とし、財政面での問題点も挙げた。 政府は子育て支援の一環として無償化を検討しており、実施に当たっての課題をまとめた。 文科省の調査によると、2023年9月時点で小中学生の給食費を無償化しているのは全体の約3割に当たる547自治体。同年5月時点で約881万人が給食を食べている一方、不登校も含め食べていない児童生徒が約61万人いた。 全員を対象にした無償化について、同省は「保護者世帯の所得増加をもたらす施策だ」と強調。給食がない学校との公平性確保といった課題に加え、生活保護受給世帯は既に減免されているため、「格差是正に乏しい」とも指摘した。 こうした論点を踏まえ、「少子化対策として効果的な施策であるかの観点から検討が必要だ」と結論付けた。