野沢雅子は“俺たちの悟空像”を更新し続ける 『ドラゴンボールDAIMA』に刻んだ新しい声
野沢雅子の「かめはめ波」は38年経っても色褪せない
『ドラゴンボールDAIMA』では第1話でこそ大人悟空も登場していたが、それ以降はミニ悟空がメインで登場。大人悟空の良い意味での傍若無人ぶりが声にも現れており、大人なのに中身は子どもなのが伝わってくる温度感で演じている一方で、今作で主に演じているミニ悟空は、ピュアな心はそのままに、より無邪気で遊び心のある声で表現しているように感じる。また、声のトーンも高く設定し、パワフルでいてハリがある。過去には悟空のほかにも、幼少期の悟飯や悟天なども演じてきたが、それともまた違う声質で表現されているのは驚くべきことだ。まだまだ新境地を更新し続ける野沢には頭が上がらない。 第8話では本気の超サイヤ人に変身し、ついにはかめはめ波を初披露したが、初代『ドラゴンボール』放送から38年が経った現在でも迫力のあるセリフとなっており、胸が熱くなった。今後は戦闘シーンが増えていくはずで、野沢の圧巻のセリフ回しが見られることだろう。 アリンスの目的は大魔界の王に君臨することで、悟空たちはその目的のために利用されていることが明らかに。悟空たちと行動をともにしているグロリオもその仲間であることがわかり、いよいよ物語が動いてきた。『ドラゴンボールDAIMA』の展開はもちろん、野沢が表現する悟空の演技の変遷も楽しみにしたい。
川崎龍也