【B1クラブ展望/SR渋谷】激戦区中地区からCS進出を目指すにはリバウンドがカギ
最終盤までチャンピオンシップ進出を激しく争ったものの、開幕からの11試合で2勝9敗と出遅れたのが響く格好となり、ルカ・パヴィチェヴィッチ体制初年度のサンロッカーズ渋谷は中地区3位という結果だった。3ポイントシュートとフリースローはともに成功率がリーグ1位、ターンオーバーがリーグ最少と数字の面は上々。中でも、1試合平均失点がリーグで4番目に少なかったことは、一昨シーズンまでの課題を短期間で大きく改善した、目を見張る成果だ。今シーズンはそれをいかに白星に結びつけるかが試されることになる。 【ハイライト】シーズン終盤戦、中地区優勝の三遠から勝利 新加入選手は、経験豊富で司令塔の役割もこなせる船生誠也、かつてSR渋谷でBリーグデビューを果たした阿部諒、身体能力が高い成長株のトロイ・マーフィージュニア、島根スサノオマジックを強豪に押し上げた1人であるリード・トラビス、そして過去にアルバルク東京でパヴィチェヴィッチHCと共闘したケビン・ジョーンズというバラエティーに富んだ面々が集った。いずれも、SR渋谷のディフェンスをより堅固なものにする存在となるだろう。 もちろん、既存の戦力も大きな期待が持てる。ジョシュ・ホーキンソンは、今夏のパリオリンピック出場を経てさらに進化した印象があり、アンソニー・クレモンズとベンドラメ礼生の勝負強さも頼もしい限り。田中大貴も含め、攻守両面で高いスキルの持ち主が今シーズンも中軸を形成する。 重要なポイントになるのは、昨シーズンリーグ最少だったリバウンドだ。特にディフェンスリバウンドの確保は、リーグ随一のディフェンスチームを目指すうえでは不可欠。中地区が激戦区となることが予想される中、4シーズンぶりのCS進出に向け、パヴィチェヴィッチHCの戦略徹底を図りたい。
■KEY PLAYER/SG #17 阿部諒
特別指定選手としてプレーした2017-18シーズン以来、7シーズンぶりにSR渋谷の一員となる。島根で5シーズンにわたって主力の一角を担い、仙台89ERSでプレーした昨シーズンは60試合全てにスターター出場し、平均14.6得点4.8アシスト1.6スティールと飛躍を遂げた。まずはチーム内の競争で出場時間を勝ち取る必要があるが、コートに立てば効率の良い働きぶりで貢献することは間違いない。 文=吉川哲彦
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