松本まりか「夫の家庭を壊すまで」に見た「不倫あるある」と「ないない」
不倫の成り立ちは「無理なく自然」
みのりは夫の携帯電話から不倫を察知するのだが、携帯が世の中に出回るようになって以来、ふたりだけの連絡網ができたため不倫がしやすくなったのも事実だし、それゆえ発覚しやすくなったのも事実である。今も不倫発覚のいちばんのツールは携帯だ。スマホが普及してからはロックがかかるから盗み見しにくくなったとも言われるが、設定次第では受信してすぐなら画面にメッセージの内容が出ることもある。勇大のスマホもそういう設定だったのだろう。 パスワードはだいたい家族の誕生日だったり、本人にゆかりのある番号だったりする。指紋認証の場合も、寝静まったところで夫の指を使ってロックを解除することが多い。「その気になれば携帯ロックなんて簡単だし、徹底的に携帯を分析する」という妻たちも少なくない。 また、男性たちは一般的に「脇が甘い」。勇大のように不倫相手と撮った写真を携帯に残していることも珍しくない。同じ女性との写真が何枚もあれば、見られたとき真っ先に疑われるに決まっているのに「一緒に写真撮りたい」と言われたら断れないのが男の甘さなのかもしれない。一方、女性が不倫をしたときは,もう少し緻密である。「携帯を見られるようなヘマはしない」と断言する女性たちの声をこれまで多く聞いてきた。 勇大の不倫相手は高校時代の同級生の理子だ。理子は学生時代に子どもを産んだことになっているが、勇大とどこでどうやって再会したのかはまだ明らかになっていない。一時期、流行した「同級生不倫」は、今も変わっていないようだ。同窓会やSNSでの再会は誰にとっても懐かしいのだが、旧交を温めると同時に新たな恋が勃発するのもよくあること。まして勇大のケースのように相手がシングルマザーで苦労しているとなれば、「見捨てておけない」と侠気を発揮してしまうのも、男性にはよくある不倫の馴れそめである。このドラマ、不倫の成り立ちに関しては無理なく自然に流れているという気がしてならない。