肉は毎日食べてもOK? 健康におよぼす影響を解説
ヴィーガンやベジタリアンの食生活を始める人が増加するなか、炭水化物を制限するケトジェニックな食生活や、原始的な食生活に立ち返るパレオダイエットを取り入れることで、動物性たんぱく質の摂取量を増やしている人も多い。 だが、毎日肉を食べることが健康的かどうかについては、専門家の間でも意見がわかれるという。肉類を頻繁に摂取することは実際のところ、健康にどのような影響を及ぼすのだろう? 2人の専門家から話を聞いた。US版『delish』より。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 From delish US
肉は健康に良い?
「人によって、『健康的』という言葉の意味は微妙に異なるものです」――アメリカ・ペンシルベニア州にあるドレクセル大学・看護健康専門職校でフード・ホスピタリティ・マネジメント学科のプログラムディレクターを務めるローズマリー・トラウト臨床准教授(調理・食科学)は、そう指摘する。 肉は、すべての必須アミノ酸とビタミンB12、鉄、亜鉛などの栄養素を含む優れたたんぱく源。「動物性たんぱく質は、植物性たんぱく質などその他のたんぱく質と比べて、効率よく体に吸収されます」とのこと。 いっぽう植物由来の食品は、アミノ酸を含んではいても、「米は豆類と一緒にとる」など、不足する栄養素を補い合うようにするため、複数を組み合わせてとることが必要になる。 とはいえ、鶏肉から牛肉、豚肉、ラム肉、バイソンの肉など、いろいろな種類がある肉類は、程度の差はあれ、どれも脂質やコレステロールを含んでいる。トラウト准教授は、「脂質のとりすぎは、代謝異常の原因になり得る体重の増加につながる可能性があり、血中トリグリセリド(中性脂肪)やコレステロールにも影響を与えます」と説明する。
そのほか准教授は、ベーコンやハム、ソーセージなど、肉が原料の「加工食品」について、次のように述べている。 「塩漬けや調理済みの惣菜、冷凍食品として販売するため、塩や砂糖、硝酸塩、脂肪などが添加された肉からも、たんぱく質を摂取することはできます。ですが、これらの食品は、毎日とるべきではない可能性がある成分も含んでいます」 ちなみに、食品の「加工度」については、国連食糧農業機関(FAO)も採用している「NOVA」という分類方法がある。加工の程度によって、食品を 1.未加工~最低限の加工 2.加工食材 3.加工食品 4.超加工食品 の4つのグループにわけるもので、例えばステーキ用の生肉は「未加工」に分類され、ベーコンやビーフジャーキー、塩漬け肉は「加工食品」、ハンバーガーやホットドッグ、チキンナゲットなど調理済みの食品は「超加工食品」となる。