【巨人】菅野智之を復活させた恩師が〝35歳のメジャー挑戦〟に太鼓判「また変わり身を見せてくれる」
今オフのメジャー挑戦を表明し、海外FA権行使の申請を行った巨人・菅野智之投手(35)に〝恩師〟から惜別メッセージが寄せられた。声の主は久保康生巡回投手コーチ(66)だ。パドレスやメッツ、レンジャーズなど早くもメジャーの複数球団が興味を示し始めているベテラン右腕に対し、今季再生の足がかりを作った名伯楽は何を思うのか――。 巨人の大黒柱が悲願の舞台へ駆け上がろうとしている。今オフの日本球界では菅野のほか、ポスティングシステムでの移籍を狙う中日・小笠原やロッテ・佐々木朗らがメジャー挑戦を続々と表明。その中でもMLB公式サイトで「NPBで最も成功した投手」と評されるなど実績十分な菅野は既に獲得を示唆しているパドレスをはじめ、レンジャーズ、エンゼルス、ブルワーズ、メッツなど複数球団の食指が動いており、年俸1年1200万ドル(約18億3000万円)規模での契約もうわさされている。 2020年オフに球団の了承を得てポスティング移籍を試み、複数球団と交渉を行ったもののコロナ禍の影響も重なって契約成立までには至らず断念。一度封印した夢舞台へのチャレンジスピリットが再燃した背景には、当然ながら久保コーチの存在がある。 昨年から同職を務めていた同コーチは、長らく不調が続いていた菅野に対して就任時からマンツーマンで指導を実施。球界屈指の名伯楽によるフォーム改造や練習法の改善などを経て今季の菅野は15勝3敗、防御率1・67を記録しリーグ最多勝&最高勝率を記録するなど完全復活を遂げた。 「ボールに力を伝える原理の根本的な考え方をチェンジしていった。フォームも昨季の8月くらいにはほぼ完成していて、それにアジャストするための体作りもオフに成功させていた。今年の春季キャンプで見た時には『これは20勝くらいするな』と確信しましたよ」と久保コーチは振り返る。 35歳で迎える新たな挑戦。自身のコンディションとの闘いも予期されるが、久保コーチは「野球の本質が分かってくるのは35歳くらいの時期から。彼はいい感覚持った投手なのでうまくやるんじゃないですか」と太鼓判を押した上で「もちろん最初はうまくいくかいかないかは分からないけど外国人ばかりの破壊力ある打者と対峙してみて、また変わり身を見せてくれるはずですよ」とさらなる進化を予言した。 巨人だけでなく、日本球界全体からの大きな期待を背負って海を渡る35歳の菅野。恩師の言葉通りに最高峰の戦いで円熟味を増し、バージョンアップを遂げることができるか。
熊沢航平