2025年に狙うべき投資テーマは? “女性版ウォーレン・バフェット” が注目する「4つのトレンド」
破壊的イノベーションその2 「スペース」
第2の破壊的イノベーションである「スペース(宇宙)」です。 宇宙に関しては、これはもうイーロン・マスクの世界です。地球に人が住めなくなった時に備えて、火星を人間が住める環境にし、誰もが火星まで行けるようにするには、輸送コストを下げなければならない。2002年に誕生したスペースX社のテーマは、輸送コストを下げるため、再利用可能なロケットを打ち上げるという話です。海上にスペースポートをつくり、そこに宇宙から戻ってきたロケットが着地し、そこで整備をして、再び宇宙に飛び立てるようにするのです。その前哨戦になるのがスターリンクです。 2024年6月現在で、スターリンクが打ち上げている小型衛星が6219機、地球の周りを回っていて、それを通じてインターネット通信ができるようになっています。ウッド氏が言った「現在ブロードバンドを利用していない20億から30億の人々や、ブロードバンドが非常に届きにくい遠隔地に住んでいる人々」に対して、このスターリンク(註イーロン・マスク率いるSpaceX社の衛星通話サービス)はブロードバンド通信の道を切り開いているのです。
破壊的イノベーションその3 「デジタル・トランスフォーメーション」
「デジタル・トランスフォーメーション」について、ウッド氏の説明はこうです。 「コロナ禍では“ゼロタッチ”と“ゼロコンタクト”が非常に重要なトピックとなりました。このテーマはあらゆるものをデジタル化しようとする動きを加速させました。一例として、現在ではほとんどの企業がハイブリッド・ワークを行っています。週に数日、出社する人もいれば、フルリモートで仕事をする人もいます。まさにデジタル化の恩恵といえるでしょう。医療の分野でもデジタル化が進み、いよいよ遠隔医療が現実化します」 このデジタル・トランスフォーメーションのベースになるテクノロジーは、AIです。生成AIであるChatGPTが2022年11月にリリースされて、一気に普及してきました。医療とAIという観点で考えると、たとえば新薬開発の時間を短縮できる可能性が高まります。 新薬を開発するためには、さまざまな種類の膨大な情報を収集しながら実験する必要があります。この手間を、AIの活用によって一気に短縮できる可能性があるのです。結果、新薬開発にかかるコストを大幅に下げることもできるでしょう。 自動車の自動運転もAIの得意とするところです。WHO(世界保健機関)のデータによると、毎年119万人が交通事故で命を落とし、2000万人から5000万人がケガを負っているそうです。実はこうした事故の94%は、ヒューマンエラーが原因だそうです。 自動運転が普及すれば、確実に自動車事故による悲劇を減らせるでしょう。これはテスラ社のケースですが、EVの自動運転タクシーを全米の大都市で展開するロボタクシー計画が進んでいます。 EVを動かすのに必要な電気は、ソーラーパネルで太陽光を利用するということです。タクシーにとっての二大コストは、ドライバーの人件費とガソリン代です。EVの自動運転タクシーが普及すれば、二大コストを一気に削減できます。既存のタクシー会社にとっては、まさに破壊的イノベーションでしょう。 2024年6月、アーク社はそんな テスラの2029年の目標株価を2600ドルと発表しました。2024年10月25日現在、269ドルのテスラ株が5年でほぼ 10倍になっていくのか、非常に興味深いところです。(註:2024年12月25日現在は約462ドル)