マスターズ行きの切符を放棄する? 中国のウェニー・ディンに迫られる選択
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 最終日(6日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7217yd(パー70) 【画像】中野麟太朗は健闘するも… 最後のパーパットの成功は、お告げかなにかで決まっていたのかもしれない。悪天候の影響もあってか、日によってスコアを変動させた選手が多いなか、中国のウェニー・ディンはたんたんと「67」を並べ続けた。ひとつスコアを落とせばプレーオフにもつれる状況だった最終18番(パー5)でも、しっかりとパーセーブ。やっぱり「67」を並べて、出場選手で世界アマランク最上位(5位)の実力を見せつけた。 日没により持ち越しとなった第3ラウンドの前半6番からスタートしたこの日は、9、10番でバーディが先行。ボギーなしの3バーディで9アンダーの首位に立ち、引き続きの最終ラウンドでも4バーディ、1ボギーと着実にスコアを伸ばして勝ち切った。
昨年大会(ロイヤルメルボルンGC)は地元のジャスパー・スタッブス(オーストラリア)とのプレーオフに敗れて2位。「今年は昨年よりもいいプレーができたと思う。トロフィーを手にすることができて、気分は最高です」と一年越しの勝利がうれしい。 日本勢最上位の3位で大会を終えた中野麟太朗とは4日間同組でプレー。「落ち着いてプレーをする良い選手だと思います。プレー中にいら立つ瞬間もありますが、彼は自分をコントロールするのが上手い」と優勝を争った相手を称えた。
大会を制して来年の海外メジャー「マスターズ」と「全英オープン」の出場権を獲得。しかし、実は大会前にはDPワールドツアー(欧州ツアー)を目指してプロ転向するつもりだったという。アマで獲得した出場資格は、プロになると無効になってしまうから問題だ。 「大会前は優勝できると思っていなかった。こんな問題が起こるとは。難問だ。おそらくカードを獲りに行く(プロになる)ことになると思うけれど…」。果たして来年のマスターズにディンの姿はあるのだろうか。(静岡県御殿場市/合田拓斗)