不登校最多「フリースクール利用者」東京都支援へ 学校至上主義から脱皮し、学ぶ権利を保障
フリースクール利用者1500人に月2万円の助成
それにしても、2022年度で3万人を超える不登校児童生徒がいるというのに、対象者数が1500人とは少なすぎるようにみえる。これでは不登校の全部を支援することにはならない。その疑問に、青木氏は次のように答える。 「不登校といっても、全員がフリースクール等に通っているわけではありません。家で勉強している子もいれば、勉強していない子もいます。フリースクールに通っている子は多くないわけで、アンケート調査協力金の利用実績から1500人くらいの見積もりが妥当だと考えています」 その助成対象となるための、通う「フリースクール等」には条件がついている。フリースクールにも、いろいろあるからだ。 「学校教育法上の学校以外の学びの場で、かつ不登校支援を主たる目的にしているフリースクール等に通う児童生徒を対象とします」と、青木氏は言う。 学校教育法第1条に掲げられている教育施設だけを国は「学校」と認めている。そのため「一条校」とも呼ばれ、法律で定められた条件を満たし、国の認可をうけることが必要となる。青木氏の言う「学校教育法上の学校以外の学びの場」とは、一条校以外のことで、つまり国が認めていない学びの場ということになる。 さらに、一条校以外であっても、「不登校支援を主たる目的」にしていなければならない。一条校以外の学びの場で、しかも不登校支援を目的としていない学びの場に通う子は東京都も支援しない、というわけだ。 「保護者には就学義務があります。それを保護者が果たそうにも、子どもが『学校生活になじめなくて生きづらさを抱えている』ために学校にいっていないのが不登校です。そこは支援する必要があると考えています」と、青木氏。 日本国憲法第26条第2項で、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ」と規定されている。それを法律化したのが学校教育法第16条および17条で、保護者はわが子に一条校で普通教育を受けさせる義務を負うことが定められている。これが「就学義務」で、違反すると「10万円以下の罰金に処する」となっている。