不登校最多「フリースクール利用者」東京都支援へ 学校至上主義から脱皮し、学ぶ権利を保障
「積極的不登校」は支援対象外
就学義務に違反するつもりはないが、仕方なく就学義務違反になっているケースなら都は支援する。しかし意図的に就学義務違反をしているケースについては支援しない、というわけだ。 意図的な就学違反があるのか、という疑問があるかもしれない。わかりやすいのは、インターナショナルスクールだ。もともとは日本で暮らす外国人子弟のための学校で、不登校支援を目的にしていない学びの場がインターナショナルスクールである。一条校でもない。そこに、不登校だからという理由ではなく、一条校が物足りないためにわが子を通わせる日本人保護者も少なくない。 意図的に就学義務に違反しているわけだ。そうした法律違反を、都として支援するわけにはいかない。インターナショナルスクールと同じように、不登校支援を主たる目的としていないフリースクール等もある。一条校とは違う教育方針を実施しているフリースクールで、オルタナティブスクール(新しい選択肢の学校)を名のっているところも多い。 「そういう施設に通っているケースは、『積極的不登校』といわれています。学校生活になじめずに生きづらさを抱えているのとは違います。今回の施策は、学校生活になじめずに生きづらさを抱えている子どものためのものですので、それ以外は対象になりません」と、青木氏。 生きづらさを抱えての不登校なのか積極的不登校なのか、その見極めについて、青木氏は次のように説明した。 「在籍校との連携で、学校長に不登校状態にあるのかどうかを確認してもらう必要があると考えています。詳細については、今後、詰めていきます」 意図的就学義務違反でも、一条校に籍はある。それが、在籍校だ。その在籍校の学校長が、「在籍校とは違う教育を求めて、それを実施しているフリースクールに通っている」と判断されれば、今回の都の助成は受けられないことになる。 そこで気になるのが、不登校支援を「学校に戻すための支援」として都は考えているのか、ということである。それに、青木氏が答える。 「都としては、『学校に戻す』ことを前提にしていません。不登校支援を掲げているフリースクールでも、学校に戻すことを目的にしているところもあれば、必ずしも目的にしていないところもあります。もちろん、フリースクールに通っていても途中から学校に戻る選択をする子もいますから、それも否定しません。教育機会確保法の理念に基づき、取り組んでいきます」 一条校に戻すことを目的としないけれども、一条校とは違う方針の学びは認めない、ということになる。都も文科省も揺れている印象を受ける。