自民党や立憲民主党はもはやオワコン!?ネット選挙が可視化する政治家の「真の実力」
待つのは天国か地獄か
安野:ネット選挙がもたらすのは明るい未来ばかりではないかもしれませんね。 今回の兵庫県知事選でもネット上ではグレーな手法が使われました。デマを流したり、ウィキペディアを荒らしたり。みんながこういった手法を駆使し始めたら、まさにディストピアです。 西田:既存政党は代理店を通じて、そのような新しい手法を学習して真似するんですよね。 安野:アメリカでは、大統領選直後の'21年にトランプ支持者が連邦議会を襲撃するなど大変な混乱となりました。 しかし私は、日本はそこまでにはならないと思っています。リテラシー教育に力を入れれば、フェイクニュースの影響を少しは緩和できるのではないでしょうか。 西田:リテラシー教育は学校にいる間しか受けられないのが欠点です。多くの人は、自ら知識をアップデートしたりはしないのが現実ですから。 私はやはりメディアがしっかりする必要があると思います。補助金やNHK受信料の一部などを原資に、水準を満たす新しいメディアに幅広く補助する仕組みはどうでしょう。いくら「マスゴミ」と言われようとも失くなると困りますから。 でもそのマスコミ自体から報道を変えていこうという気概が感じられないのが残念です。 西田亮介 にしだ・りょうすけ/'83年、京都府生まれ。博士(政策・メディア)。日本大学危機管理学部教授・東京工業大学特任教授。著書に『メディアと自民党』(角川書店)、『ネット選挙』(東洋経済新報社)、共著に『日本の未来、本当に大丈夫なんですか会議』(日本実業出版社)など 安野貴博 あんの・たかひろ/'90年、東京都生まれ。AIエンジニア、SF作家。ボストン・コンサルティング・グループを経て、AIスタートアップ企業を2社創業。著書に『松岡まどか、起業します』(早川書房)など 【もっと読む】『齋藤元彦知事が大ピンチ「副知事のなり手がいない」問題が兵庫県庁内で紛糾していた…!』 「週刊現代」2024年12月7・14日合併号より
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