「またやっちゃったか…」楽天初代監督が人事に苦言…今江監督解任で10人中6人が1年間で“クビ”「オーナーは嫌だったのか…僕が1年で解雇になるまで」
「あのとき星野さんは何も言わなかった」
一方、複数年続いたのは野村克也氏(4年)、星野仙一氏(4年)、梨田昌孝氏(3年)、石井一久氏(3年)である。田尾氏は、自分が1年で解雇された要因をこう語った。 「僕は間違ってると思ったら、すぐ言ってしまう性格です。楽天の監督時代もオーナーに『球団は自分の持ち物じゃなく、半分はファンのものという気持ちで接してほしい』『疑問や不安があればなんでも直接言ってください』『ひとつの勝ち負けで方針が変わるのでは困ります』など色々言っていました。それがオーナーは嫌だったのか、直接話しかけられることはほとんどなかったです」 逆に、田尾氏は意外にもオーナーへ何も言わなかった元監督の姿を見たという。それが燃える男・星野仙一氏である。 「キャンプ中、テレビの仕事で当時の星野監督にインタビューすることがありました。夜に食事会があって、星野監督と僕と三木谷オーナーが一緒になったんです。そこでオーナーが『田尾さん、今年の楽天はどうですか? 』と聞いてきた。僕は正直に『先発ピッチャーがひとり足りませんね。オーナーのポケットマネーで外国人ピッチャーでも連れてきたら上で争えますよ。ねえ、星野さん? 』と言ったんです。でも、星野さんはオーナーに何も言わない。『そうだね』も一言もない。『仙さん、こういうときは何も言わないんだ』とちょっとびっくりでしたね」
忘れられない“星野さんのひと言”
後年、田尾氏は星野氏と新幹線でバッタリ鉢合わせた。そのときのやりとりも、田尾氏は忘れられないという。 「星野さんは『俺とお前みたいな生き方が一番いいよな。思ったことを言って、あとはここだというところを掴んでいればいいんだからな』とおっしゃったんです。でも、僕は『星野さんと違って、僕にはここって掴んでるところがありませんよ』と返したんです」 星野氏が「ここ」と言ったのは、みずからを重宝してくれる存在ということだろう。星野氏にとっては楽天が「ここ」だったのかもしれない。実際、星野氏は監督を2014年に退任後、シニアアドバイザーに就任し、2015年から死去する2018年まで球団の取締役副会長を務めた。 「『ここだというところ』を掴む星野さんはさすがだと思います。でも、色々神経使うと思いますね。僕はそういう神経が使えないから、ここというものが掴めず、お金が貯まらない(笑)」
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