ただの片づけとはまったく違う!…おひとりさまの「人生を楽しむための片づけ」のポイント6つ
ポイント(1)片づけなくていい場所を把握する
突然ですが、おひとりさまになったときにあなたは「これからどんな部屋で、どのように過ごしたい」と思いますか? 自分好みの部屋を想像するとワクワクして、自然とニヤニヤしてしまいますよね。もちろん、その部屋の中に、使っていないモノやあなたが好きではないモノは決して存在していないはずです。 あなたの部屋の中で、気になっている場所はありませんか? 誰にでも片づけたいモノや片づけたい場所があるものです。思い浮かんだモノや場所があれば、まずはそこから片づけましょう。きっとそれは、自分の理想の部屋にするために必要な作業なのだと思います。 もし、どこから片づければいいかわからない場合、最初に片づけるのは、いつも使っている場所です。使っていない場所を、わざわざ片づける必要はありません。 また、天袋は数年間まったく使わなかったモノが入っていることが多いです。つまり、これまで開けなくてもまったく不自由を感じなかったわけです。 このような場所は、片づけなくていい場所と言えます。せっかくモノが収まっているのに、天袋からわざわざすべて引っ張り出して、整理し直す必要はないのです。 理想の部屋にするためには、すべての場所を整理する必要はありません。 おひとりさまの片づけは、重点的に片づけるべき場所や、わかりやすく整理するべきモノがあり、そこを抑えて片づければいいのです。
ポイント(2)何よりも「安心・安全」が大切
おひとりさまの片づけのそもそもの目的は何でしょうか? それは、シニア世代に向けて「ずっと元気で楽しく暮らせる部屋にすること」です。そのためには、安心して暮らせる、安全な部屋にすることが大切です。 「安心・安全な部屋」と聞くと、「うちは危険な部屋なんかないから大丈夫!」と思われるかもしれません。けれども、実は、多くの高齢者が自宅内で転んで救急搬送されているのです。 「ころぶ(転倒)」「落ちる」「おぼれる」「やけど」など、日常生活の事故の理由を調べると、高齢者では「ころぶ(転倒)」が約8割を占め、発生場所は「居住場所」、つまり自宅内59.4%と6割近くに及んでいます。私が「おひとりさまの片づけでは、何よりも安心・安全が大事です」と口を酸っぱくしてお話しする理由は、こうしたデータが根拠になっています。 高齢になると、体力や筋力の低下により敷居などのほんの小さな段差でもつまずいて転んでしまいます。このほか、コタツのコードやコタツ布団、階段など、家の中には実は危険なものがいくつもあるのです。しかも、高齢者の「ころぶ」事故で怖いのは、大腿骨骨折など大きなケガにつながりやすく、入院しなければならなくなることです。 2020年のデータでは、救急搬送された高齢者の38.3%と4割近くが、入院の必要がある「中等症以上」と診断されています。 歳をとるとケガの治りも遅くなります。入院生活が長く続くと、心身の機能が一気に衰えるため、「ころぶ」事故がきっかけで車イス生活になったり、寝たきりになったりしかねません。 そうならないためにも、「安心・安全」を第一に部屋を点検することはとても重要です。