「コメ来年さらに値上がる」米穀店が予想 「収穫減で業者間で奪い合い」
「令和のコメ騒動」とも言われた今年のコメの価格高騰ですが、年の瀬になっても値段は下がりません。米屋は「来年はさらに値上がる予想」と逼迫(ひっぱく)した状況を訴えています。 【画像】人気の米粉にも忍び寄る価格高騰 原料不足に現実味、食品会社「危機感かなりある」
■米屋が緊急報告 業者間での取り合いも
40代 「気づいたら(10キロで)6000円くらいとかになって、あれって思って」 新米が多く出回っている今も、価格高騰は続いています。 総務省が20日に発表した家庭で消費する商品の価格動向を示す消費者物価指数で、先月のコメの価格は去年の同じ月と比べ、63.6%上昇しました。 そして、SNSにはこんな投稿もありました。 Xの投稿 「米屋からの緊急報告 年内にお米は相当値上がりいたしましたが、来年はさらに値上がりが予想されます」 投稿したコメの卸しや販売などをしている埼玉県川越市の会社を取材しました。新米の収穫も終わり、在庫は十分あると思いきや…。 (株)ライスセンター金子 金子宏社長 「入り口までこの時期だとあるんですけどね、だいたいこれだと半分ぐらいですかね」 案内されたコメを保管する倉庫には、例年入り口までびっしり米が置かれているそうですが、今は半分以下になっています。 金子社長 「(今年の収穫量が)量も少ないみたいなんで、2カ月分ぐらい先(の出荷)で食べちゃってる。だから、来年逼迫するんじゃないか」 さらに、起きていたのは業者間でのコメの取り合いです。 金子社長 「競争が激しくて、少しでも多く仕入れたいので、そうすると1000円、2000円だんだんと高くなっちゃって。業者間で奪い合いになっている感じですかね」
■米粉にも忍び寄る高騰 心配なのは来年
コメの価格高騰の影響は、コメを原材料とする米粉にもジワリと忍び寄っています。 みたけ食品工業(株) 武内秀行会長 「今後、来年作るもの再来年作るものというものに対しては、危機感はかなり持っています」 米粉はパンケーキやピザなどにも使えて、小麦アレルギーの人でも食べられるメリットがあります。 農林水産省によると、米粉の需要は5年前と比べて2倍に増え、去年は生産量を大きく上回りました。米粉の人気は高まるばかりですが、今のところコメ価格の高騰の影響は出ていません。 武内会長 「米粉のこのコメというのは主食と違いまして、ほぼ1年前から値段を決めてるんですね。秋、9月、10月にとれたものは1年前の価格なんで上がらないんですよ」 ただ、心配なのは来年です。 みたけ食品工業(株) 米原料担当 青島慶拓さん 「米粉を作っていただける農家さんっていうのも、主食とかそういったところに今移りたいと、考えている農家さんがあるというのは事実だと思います」 農家が作るコメを変えると、必要な米粉が確保できない可能性もあり、危機感を募らせていました。 武内会長 「来年の6月のやり取り(交渉)が終わったところ、これが一つのキーポイントになると思います」 (「グッド!モーニング」2024年12月23日放送分より)
テレビ朝日