本当の保守とは“緩慢な革新” 民主主義がアメリカ国益主義になってはいないか【報道1930】
『一水会』木村三裕代表 「親米というより従属、従米になってるんじゃないか…。アメリカに無批判に引き続いてしまうと新たな帝国主義的な覇権主義的な路線にハマってしまうのでないかと私たちは批判している。イラク戦争では大儀だった大量破壊兵器は発見されなかった。本当に恥ずかしかった。とにかく闇雲にアメリカを支持してしまえって…。自民党が親米路線で保守路線を担ってきたのは本質は私に言わせれば“損得”なのかと…(中略)確かにアメリカと一体で行くことは一つの国益ですが、本来的には自立して将来的にも総調和で行く足腰をしっかり持った国益にならないといけない…」 ■「冷戦時アメリカに頼ることで紛争に直面することなくうまくやった。この成功体験から抜けられない」 一方、保阪正康氏は“親米保守”という言葉自体が論理矛盾しているという。 昭和史研究家 保阪正康氏 「保守とはこの国の伝統的な考え方・習慣・発想色々なもの大事にしながらそれをもとにして日々改革をしていこうと…。それに“親米”という前提がついたら論理矛盾…」 しかし、戦後日本政治の中で親米一辺倒ではなく是々非々の態度を取った政治家もいた。 ひとりは外務大臣時代駐留米軍の予算を削減した石橋湛山氏であり、ひとりは日中国交正常化を実現した田中角栄氏だ。 昭和史研究家 保阪正康氏 「極端な親米、一体化まで行っちゃいけないんだっていうのが湛山さんや角栄さん。国民の利益、民族的な誇りを大事にしなきゃいけない。その次に親米…」 田中角栄総理はオイルショックの時、キッシンジャー米国務長官からアラブの味方はやめてくれと言われ「中東の石油に依存している。アメリカがその分を肩代わりしてくれるか?」と返したという。 昭和史研究家 保阪正康氏 「田中角栄という人は、アメリカは寄って立つ柱ではあるけれど中心ではないと…。キッシンジャーは“こいつは何を考えてるんだ…。親米という柱を立てるのが筋だろ”と…」