TDK・村田製作所…電子部品8社の4―6月期、4社が当期増益の要因
電子部品8社の2024年4―6月期連結決算が7日までに出そろい、4社が前年同期比で当期増益となった。アルプスアルパインは当期損益が黒字転換した。電気自動車(EV)需要の停滞を背景に車載向けの販売が盛り上がりを欠いた一方、スマートフォンをはじめとした民生向けが業績を支えた。加えてIT大手のデータセンター(DC)投資の回復による追い風も吹く。戦略的に在庫を抱える企業もあり、今後の需要を着実に取り込めるかがカギを握る。 【一覧表】電子部品8社の業績詳細 ミネベアミツミの貝沼由久会長兼最高経営責任者(CEO)がスマホ市場について「過度に悲観する必要はないのでは」と語ったように、4―6月期はスマホ向けが好調だったメーカーが多い。 例えばTDKはスマホなどの電子機器に搭載する小型二次電池の販売数量が増え、同電池を含む事業の営業利益は前年同期比で約72%増となった。京セラもコンデンサーなどの販売増加が電子部品事業の増収に寄与した。 旺盛な需要に備える動きもある。アルプスアルパインは棚卸し資産が増えた理由を、為替の影響のほか「スマホ向けが好調で積み上げた」(小平哲専務執行役員)とした。 スマホのほか、需要が回復してきたのがDC向けだ。ニデックはサーバー用水冷モジュールについて「想定とは違うレベル(の収益)を実現できている」(岸田光哉社長)と好調さを強調。TDKの山西哲司副社長はDC向け部品について「急速に受注が増えてきている」と話した。 DC市場の拡大は引き続き各社に恩恵をもたらしそうだ。村田製作所はサーバー向けの受動部品への需要が今後も増えるとみるほか、ミネベアミツミもボールベアリングなどの需要拡大を見込む。