2走外れた柳田大輝は涙 土江ディレクターも苦渋の決断「本当に苦しい経験」「次のロスではエースとして」
「パリ五輪・陸上男子400mリレー・決勝」(9日、フランス競技場) 日本は1走坂井隆一郎(26)=大阪ガス=、2走サニブラウン・ハキーム(25)=東レ=、3走桐生祥秀(28)=日本生命=、4走上山紘輝(25)=住友電工=の布陣で挑み、37秒78の5位で2大会ぶりのメダルはならなかったが、来年の東京世界陸上、28年ロサンゼルス五輪に向けて収穫のあるレースとなった。 【写真】両手を地面についてがっくりうなだれるサニブラウンら ショック隠せず 予選はサニブラウンが1走、柳田大輝(21)=東洋大=が2走、桐生が3走、上山が4走だったが、柳田の調子が悪かったことからメンバーから外した。当初は個人種目がない柳田をバトンの受け渡しで負担がかかる2走で固定していたため、昨夜急きょの変更になり、「ぶっつけ本番」となった。 メンバーから外れた柳田がサブトラックで涙していた。土江寛裕ディレクターは「(パリ五輪の)予選と(7月末のダイヤモンドリーグ)ロンドンでうまく走れなかった。ロンドンの後に修正したけど、予選でもうまく走れず、柳田を外すという結論になった」と経緯を説明した。 普段から東洋大で指導するだけに「指導する私の責任でもあるんですが柳田をベストな状態でこの場に迎えられなかったことが大きい。ベストな状態だったらまた違うオーダーになった。たらればの話はよくないが、オリンピックの大事な舞台でその準備ができなかったことはパーソナルコーチとして悔しいを振り切っちゃってる」と思いをにじませた。 「ナショナルコーチじゃなくてパーソナルコーチみたいな発言になっちゃうんですが、本当にここは走らせたかった」と経験させたかった大舞台。「個人の100のファイナル目指してやってきた中で、リレーも自分がやってやるとやってきた中で、個人もリレーも出れない経験は本当に苦しいです。ただ今回のアップを見ても、いつでもいけるぞという表情でアップもしていて、成長もしてきている。次のロスではエースとして、ハキームみたいな立場でファイナルに残った柳田をリレーでつかえるところを目指して今後も一緒にやりたい」と成長の糧にしてほしいと語った。