パリ五輪のサーフィン会場のタヒチで起きた、ぜひとも知っておきたいある「騒動」
大きな視点で捉えてほしい
今回のオリンピックのために用意された、より小型で、重量も軽く、25~30人を収容できるタワーは、ほかのイベントがある場合にまた設置できる。一部からは今も批判の声が聞かれる一方、より損害の大きい計画が撤回されたことを歓迎する人たちもいる。 世界中のサンゴ礁が消失の危機にひんしている中、ドゥアルテ氏は、より大きな視点で捉えることが重要だと述べている。この話は、「今回影響を受けている、テニスコート2面分ほどのタヒチの小さなサンゴ礁だけに関係することではありません」と氏は言う。「世界中の何千というサンゴ礁が今、同じような影響を受けているのです」 ドゥアルテ氏は、この論争が世界のサンゴを守る重要性についての認識を高めたことに希望を見出している。 「悪いニュースから始まったことが、最終的に良いニュースになることもあります」と氏は言う。「そうやって状況を逆転していくことが、われわれの目指すべき道でしょう」
文=Melissa Hobson/訳=北村京子