雅楽師・東儀秀樹さん 25歳でがん宣告、コンサート前日の大事故…3度死にかけても楽天的でいられる理由|STORY
生涯愛せるのは「自分が自分らしくいられる人」
――ちなみに、東儀さんの好きな女性像とは? 好きな女性のタイプはというと、綺麗とかカワイイとかっていうのは全然関係ないんです。「価値観」、といえば簡単過ぎてしまうのだけど、一緒にいて自分が自分らしくいられる人っていうのは本当に一生寄り添えると思うんですよ。「性格もわからないけど、見た目がよくてズキュンときたからと追いかけて一緒になったら全然考え方が違った……。けど、結婚してしまったから」と後でメチャクチャ悩むのって、いいことが一つもないじゃないですか。だから、いつも話が弾んで、笑って、自分が悲しい時に一緒に悲しんでくれることができる人だったらどんな人でも大切な人になれますね。以前、人体の展示を観に行った時に、一皮剥ぐと、老若男女問わず、人間皆同じ顔をしていることを知ったんです。「一皮剥がすと心しかないんだな、人間は」と思うと、肌の色や鼻の高さだとか容姿とか、どうでもいいと思えてきたんです。最愛の人だったら、どんな姿であっても愛おしく思い、抱きしめてあげることができます。
まずはなんでもやってみる、やって楽しむことが大事
――最後に、読者さんへのメッセージをお願いできますか 僕のことをすごく生真面目だと思っている人が多いだろうけど、決してそんなこともないから、どこか街の中で見かけたら声をかけてね。あと、SNSでも発信しているので、この記事で僕のことを知った人にも見てもらいたいです。多面的にいろいろなことをして人生をものすごく楽しんでいる人がいるということを、より一層わかってもらえると思います。「僕だけができることではなくて、これって誰にでもできることなんだよ」というメッセージを込めています。ただ、やろうと思うのか、思わないのかが違うだけで。それと、「出来る」「出来ない」ではなくて、「やる」「やって楽しむ」こと。やってみてできなかったら、「ダメだったね、アハハ」と、できないことを笑いながら楽しんでみる。取っ替え引っ替えでいいから、どんどんいろいろなことをしてみるきっかけに僕がなれれば、すごく嬉しいです。 撮影/沼尾翔平 取材/嶋田桂以子