「もう一度、チームの力に」引退撤回&電撃復帰、期待させる男・室田祐希の覚悟【リアルインタビュー】|STAR is BACK
Fリーグに、「フットサルがうますぎる男」が“帰ってきた”。 エスポラーダ北海道・室田祐希だ。昨シーズン限りで現役引退したものの、今年4月9日、クラブを通して「現役復帰」を発表した。まさかの引退撤回。新シーズンの開幕を前にしてフットサル界には衝撃が走り、同時に、多くのファンが心を躍らせた。 昨シーズン、北海道はF1で最下位となり、F2で優勝した仙台との入替戦に敗れ、クラブ史上初の降格となった。古巣・名古屋戦で勝利を手繰り寄せた2得点を含め、シーズンで17得点と一人気を吐いたが、最後にチームを勝たせることができなかった。2月の入替戦後、取材エリアでは「俺から言うことはなにもない」と、苛立つ姿があった。 心残りがあるんじゃないか──。 周囲のそんな心配をよそに、室田は約1カ月後の「Fリーグオールスターゲーム2024 TOKYO」でいつも以上に無邪気にボールを追いかける姿を見せた。誰よりもフットサルを楽しみ、そして観客を魅了する生粋のフットサル小僧はその日、現役最後のゴールを奪い、そして、見事MVPにも選ばれ、笑顔でピッチを去った。 しかし室田は、クラブの危機に際して、ピッチに戻ってきた。 「魂の引退撤回!」「待ってました!」「うれしすぎる!」「これは熱い!」「カッコ良すぎる」「昇格請負人!」「漢気!」「チームを救うためって、最高の男じゃん!」 クラブのリリースを受け、SNS上では復帰を喜び、期待する声であふれた。それこそが、室田の価値だ。なにかやってくれる。ピッチで“魅せて”くれる。そして実際、その通りになった。室田は開幕から4試合で5得点、チームは4連勝、単独首位に立っている。 今シーズンこそ、室田はチームを勝利へ導けるか。その覚悟と決意を聞いた。 取材=青木ひかる、伊藤千梅 文=伊藤千梅 ※取材は5月10日に実施
悩み抜いて決めた現役復帰
──昨シーズンで一度、現役引退を表明したものの、撤回して現役復帰。なぜでしょうか? 「Fリーグオールスターゲーム2024 TOKYO」ではMVPもいただいて、現役生活の最後をきれいに飾れたと思います。ただその日、北海道が来シーズン、1年でF1に昇格できなければチームの存続が危ういという話を聞きました。 引退記念Tシャツまで作ってもらいましたし、本当に最高の形で終われたので、引退撤回は数日間、悩みました。それでも「もう一度チームの力になれたら」という気持ちが強く、前GMの(水上)玄太さんに電話で自分の思いを伝えて、復帰させてもらうことにしました。 ──復帰発表に対して、SNS上ではファン・サポーターの方たちのポジティブな反応であふれていました。 このタイミングで復帰するのは早いかなとは思っていました(苦笑)。でも、批判的な意見を受け入れる覚悟で決断したので、誰になにを言われてもいいと思っていました。そんななかで復帰を歓迎してくれるコメントばかりだったのは素直にうれしかったですね。 ──誰かに相談しましたか? いえ、自分1人でどうしようかと悩んでいました。 ──決意した決め手はあったんですか? もともと、北海道リーグでプレーしようとは考えていましたし、フットサルを続けたい思いはありました。なので最後はその気持ちのまま、現役復帰を決めました。