何が違うの? ベーキングパウダーとベーキングソーダの知るべき5つのこと
単動式と複動式のベーキングパウダー
さらに複雑なことに、ベーキングパウダーには単動式と複動式の二種類がある。とはいえ、店頭で見かけるのはほぼ複動式のベーキングパウダーだそう。 複動式はその名の通り、液体と混合されたときと熱に曝されたときの二度反応が起きる。単動式は業務用でよく使用され、ベーキングソーダのように液体と混ぜるとすぐに反応が始まる。
ベーキングパウダーの代わりにベーキングソーダを使う、またその逆も可能?
一部のレシピでは、代わりに使用してある程度うまくいく可能性がある。ただし、単純に1対1の交換はできない。ベーキングソーダは純粋な重炭酸ナトリウムのため、小さじ1杯でベーキングパウダー小さじ1杯の3~4倍の強さがある。そのため、効果的に代用するには計算が必要。(逆にベーキングパウダーの代わりにベーキングソーダを使用する場合は、酸を追加する必要がある。) ・ベーキングパウダーの代わりにベーキングソーダを使用するには:ベーキングパウダー小さじ1に対し、ベーキングソーダ小さじ4分の1+クリームオブタータ小さじ2分の1を使う。クリームオブタータがない場合は、バターミルク、酢、レモン汁など、液状の酸を小さじ1杯で代用してもOK。注意:この場合、焼き菓子に酸味が加わる。 ・ベーキングソーダの代わりにベーキングパウダーを使用するには:ベーキングパウダーを3倍使うだけ。たとえば、レシピで小さじ1杯のベーキングソーダが必要であれば、小さじ3杯のベーキングパウダーを使用。 注意:これらの変換はあくまでも目安で、確実なものではない。風味と効果のためにも、常に指定された膨張剤を使用するのがベスト。また、賞味期限を確認し、パッケージを開封した日付を記録しておくのもおすすめ。とくにベーキングパウダーは、開封後一年経つと、酸と重炭酸塩が反応し中和してから時間が経っているため、生地を膨らませる効果が薄れてしまう。これらがまだ使えるかどうかを確認する方法は記事の後半をチェックして。
ベーキングソーダとベーキングパウダーの両方が必要なレシピがあるのはなぜ?
前述の通り、ベーキングソーダが活性化して二酸化炭素を放出し、気泡を発生させて、焼き菓子に膨らみを与えるには酸が必要となる。けれど焼き菓子によっては、ベーキングソーダの膨張力が持続する時間よりも長く膨らませ続けなくてはならない場合がある。その点、ベーキングパウダーは活性化するのがゆっくりで、膨張時間もより長い。 もう一つの理由は、両方を使用すると味と焼き加減の両方に影響するため。たとえば、酸味のあるバターミルクパンケーキを作りたいとき、ベーキングソーダだけを使用すると、ベーキングソーダとバターミルクの化学反応によって酸味がすべて中和されてしまう。そこでベーキングパウダーも加えると、ほどよい酸味を残しつつ、軽くてふわふわのパンケーキに十分な膨らみを与えられる。